物損事故の損害賠償

評価損(格落ち)が認められる条件とは?請求のポイントと裁判例を解説

評価損(格落ち)が認められる条件とは?請求のポイントと裁判例を解説

この記事のポイント

  • 「評価損(格落ち)」とは、修理しても事故前より車の価値が下がる損害のこと
  • 保険会社は交渉段階では評価損を認めないことが多い
  • 新車・高級車・低年式・低走行の車ほど評価損が認められやすい傾向がある
  • 認められる場合の目安は修理費用の1~3割程度(定型的な基準はない)
  • 評価損の請求は立証が難しく、弁護士への相談が有効

評価損(格落ち)とは

修理しても残る「価値の低下」

評価損(格落ち)とは、事故車を修理しても外観や機能が完全には元に戻らなかったり、事故歴・修理歴が残ったりすることで、事故前よりも車の価値(時価額)が下がってしまう損害をいいます。

たとえば事故直前なら100万円で売れた車が、事故歴がついたことで70万円でしか売れなくなった場合、その差額の30万円分が評価損にあたります。

評価損の2つのタイプ

評価損の種類
種類 内容
技術上の評価損 修理しても機能や外観が完全には回復しないことによる価値の低下
取引上の評価損 事故歴・修理歴が残ることで、売却時の評価額が下がること

評価損が認められにくい理由

客観的な評価が難しい

評価損は、価値がどれだけ下がったかを客観的に数値化しにくく、争いになりやすい損害です。とくに交渉段階では、相手方の保険会社が評価損を損害として認めないケースがほとんどです。

このため、評価損を請求するには、なぜ価値が下がったといえるのか、どの程度下がったのかを具体的に示していく必要があります。

評価損が認められやすい条件

新しく価値の高い車ほど認められやすい

評価損は、すべての車で一律に認められるわけではありません。次のような条件にあてはまる車ほど、認められやすい傾向があります。

評価損が認められやすい主な要素
要素 傾向
登録からの期間 新車・低年式(新しい)ほど認められやすい
走行距離 走行距離が短いほど認められやすい
車種・車格 高級車・人気車種ほど認められやすい
損傷の箇所・程度 骨格部分など重要部位の損傷ほど認められやすい

認められる場合の金額の目安

裁判で評価損が認められる場合、修理費用の1~3割程度が目安とされることが多いです。ただし、これはあくまで目安であり、定型的な基準はありません。中古車市場での評価が高い車では、それ以上の割合が認められる可能性もあります。

評価損を請求するためのポイント

修理内容や損傷部位の記録を残す

評価損の主張には、どこをどの程度損傷し、どう修理したかの記録が役立ちます。修理見積書や修理明細、損傷箇所の写真などはできるだけ保管しておきましょう。骨格部分の修復歴は、売却時の評価に大きく影響します。

弁護士に相談する

評価損は、交渉では認められにくく、立証にも専門的な知識が必要な分野です。裁判例の蓄積を踏まえて主張を組み立てる必要があるため、評価損の請求を考えているなら、交通事故にくわしい弁護士に相談することをおすすめします。車の時価額の考え方については交通事故の車の時価額の調べ方|算定方法と納得できないときの対処法を解説もあわせてご覧ください。