この記事のポイント
- Uターン車との事故とは、道路上で進行方向を反転する転回車と、後続・対向の直進車が衝突する事故
- 転回には高い安全確認義務があり、原則として転回車の過失が大きい(転回車8前後が目安)
- 転回禁止場所での転回、合図の不履行などは転回車にさらに不利な修正要素
- 直進車にも速度超過や前方不注視があれば過失がつき、10対0になりにくい
- 転回の合図やタイミングでもめたら弁護士への相談が有効
Uターン車との事故とは|なぜ起きるのか
転回は周囲から予測しにくい大きな動き
Uターン車との事故とは、道路上で進行方向を反対に変える「転回(Uターン)」をした車と、後方や対向から直進してくる車とが衝突する事故です。転回は、一時的に車線をまたいで道路を横切る形になるため、周囲の車から見ると動きが大きく、予測しにくいのが特徴です。
転回しようとする車のドライバーは、後方や対向から来る車との距離や速度を見誤り、「今なら回れる」と判断して転回を始めてしまうことがあります。この見込み違いが、Uターン 事故の主な原因です。
典型的なパターンはいくつかあります。第一に、後方から直進してきた車が、急に転回を始めた前車を避けきれずに側面へ追突するケース。第二に、対向車線を直進してきた車と、転回中に道路を横切る車とが衝突するケースです。
転回車には高い安全確認義務がある
道路交通法では、転回しようとする車は、後方や対向から進行してくる車の進行を妨げてはならないとされています。転回は通常の進行とは異なるイレギュラーな動作であるため、転回車には周囲の安全を十分に確認したうえで行う、高い注意義務が課されます。
この義務があるため、Uターン 事故では原則として転回した側の過失が大きく評価されます。直進している側は通常どおり前進しているだけであり、転回車の動きをあらかじめ予測して避けることまでは求められにくいからです。
ただし、直進車にまったく落ち度がないとは限りません。著しい速度超過や前方不注視があれば、直進車にも過失がつくことがあります。
Uターン事故の過失割合の考え方
基本割合と修正要素
転回車が後続の直進車の進行を妨げる形で転回し、衝突した場合、転回車8対直進車2程度が基本の目安です。転回車に高い注意義務があるため、転回車の過失が大きくなります。ただし、これは出発点であり、さまざまな修正要素によってuターン 事故 過失割合は変動します。
転回車に不利に働く修正要素としては、転回が禁止された場所での転回、転回の合図(ウインカー)を出していなかった、合図が遅れた、といった事情があります。これらは転回方法の不適切さとして、転回車の過失を増やす方向に働きます。
逆に、直進車に不利に働く修正要素もあります。直進車の著しい速度超過や前方不注視がある場合です。下の表に主な修正要素を整理しました。いずれも目安であり、ケースにより変動します。
| 状況・修正要素 | 過失割合の考え方(目安) |
|---|---|
| 後続直進車の進行を妨げて転回(基本) | 転回車8:直進車2が目安 |
| 転回禁止場所での転回 | 転回車の過失が加算される |
| 転回の合図なし・遅れ | 転回車の過失が加算される |
| 直進車の著しい速度違反・前方不注視 | 直進車側の過失が加算される |
10対0になりにくい理由と判断軸
転回車のドライバーが「自分が全面的に悪い」と考える一方、直進車のドライバーは「自分は直進だから過失0のはずだ」と考えがちです。しかし、Uターン 事故で直進車の過失が完全に0になるケースは、それほど多くありません。双方の車が動いている状況では、互いに前方の安全を確認する義務があると考えられるためです。
直進車であっても、前方で転回を始めた車を十分手前で認識できたのに、減速や回避をせず漫然と進行した場合などは、わずかな過失が認められることがあります。判断の軸になるのは、直進車が危険を予見・回避できたか、速度が適切だったか、といった点です。
直進車の過失が0に近づくのは、転回車が突然・無謀に転回したなど、直進車側に落ち度を見いだしにくい特別な事情があるケースに限られます。逆に、直進車に速度超過があれば過失0の主張は通りにくくなります。
事故直後の対応と請求できる損害
その場でやるべきことと損害の内訳
Uターン車と衝突したら、後続車のさらなる追突を避けるため、可能であれば車を路肩へ寄せ、負傷者がいるときは119番へ通報します。警察への届け出は必須です。届け出がないと交通事故証明書が発行されず、保険請求の場面で困ることになります。あわせて、相手の氏名・連絡先・ナンバー・加入保険を控え、自分の保険会社への事故報告も済ませておきましょう。
現場で「自分にも非があったかもしれない」などと安易に責任を認めたり、示談の約束をしたりするのは避けてください。転回の合図やタイミングの評価には専門的な判断が必要なため、現場では写真撮影と情報収集に徹します。体に違和感が出たら、軽くても早めに整形外科で診てもらいましょう。受診が遅れると、事故とケガの因果関係を疑われることがあります。
加害者側に請求できる主な費目は、治療関係費、通院のための交通費、仕事を休んだ分の休業損害、入通院慰謝料、車両の修理費です。後遺障害が認定された場合には、等級に応じた慰謝料や逸失利益といった費目も加わります。慰謝料の算定基準は1つではなく、過去の裁判例をもとにした基準で計算したほうが高くなる傾向がありますが、被害の程度により結果は変わります。
Uターン事故でよくあるトラブルと証拠の確保
転回の合図・タイミングをめぐる対立に備える
Uターン 事故でもめやすいのは、転回車が合図を出していたか、いつ転回を始めたか、直進車がどのくらいの距離・速度で接近していたか、といった点です。転回車は「早めに合図を出していた」、直進車は「合図はなかった、突然転回された」と主張が食い違うことが珍しくありません。
示談交渉の窓口となる相手方の保険会社は、必ずしも中立ではありません。契約者側の言い分に沿った過失割合を前提に話を進めてくることもあります。「言った・言わない」の応酬にしないためには、映像や記録といった客観資料で事実を押さえておくことが欠かせません。
決め手になるのが、ドライブレコーダーの映像です。転回の開始タイミング、合図の有無、双方の速度を客観的に示すことができます。あわせて、転回禁止を示す標識や道路標示の有無、目撃者の連絡先、現場周辺の店舗の防犯カメラも、転回の状況を裏づける材料になります。時間が経つと映像は上書きされ、記憶も薄れていくため、証拠集めは事故当日から動くのが理想です。
Uターン事故の過失割合でもめたら
弁護士に相談して見通しを確認
Uターン車との事故では、転回の合図や直進車の速度をどう評価するかで結論が動くため、当事者だけで適正な割合を見極めるのは容易ではありません。
保険会社の提示に疑問を感じたら、うのみにせず、交通事故案件の経験が豊富な弁護士に一度見立てを聞いてみてください。ドライブレコーダーの映像や実況見分の内容を踏まえて、どこまで主張できるかの具体的な見通しが得られます。示談書に署名する前の相談が肝心です。いったん成立した示談は、原則としてやり直せません。