後遺障害の等級認定

等級ごとの慰謝料想定額や等級への認定基準などについて

交通事故の後遺障害11級の慰謝料相場は?その症状と認定基準も解説!

この記事のポイント

後遺障害11級の慰謝料相場「自賠責基準」135万円→「裁判基準」420万円

弁護士に依頼すれば、「自賠責基準」による最低限の慰謝料ではなく、「裁判基準」にもとづいた適正な慰謝料を得られる。その増額目安は245万円~285万円ほど。裁判をすれば満額(420万円)、示談交渉では9割程度の金額(約380万円)になる可能性が高い。

※上記の金額は「後遺障害慰謝料」を示したものです。損害賠償金には、その他に「入通院慰謝料」「治療関係費」「休業損害」「逸失利益」などが含まれます。
※示談交渉によって得られる慰謝料は個別のケースによって異なります。

弁護士に依頼すると、どのくらい慰謝料が増額する?

自賠責保険による慰謝料から280万円以上アップ!

ケガが治った後でも身体に残っている障害のことを「後遺障害」といいます。この障害が交通事故のせいで生じた場合、加害者に「後遺障害慰謝料」を請求することができます。そこで本稿では、後遺障害11級に対する慰謝料や認定基準などについて、わかりやすく解説していきます。

自賠責保険では必要最低限の補償しか支払われない

後遺障害慰謝料は「自動車損害賠償保障法」に定められた後遺障害の等級と支払い基準によって計算されます。強制保険である自賠責保険では、後遺障害11級の慰謝料は「135万円」。しかし、この「自賠責基準」は国が決めた必要最低限の補償にすぎません。

裁判では、もっとも慰謝料の高い基準が使われる

慰謝料の算出基準には「自賠責基準」の他に「任意保険基準」「裁判基準(弁護士基準)」があります。3つの基準のなかでもっとも金額が高くなるのは「裁判基準」です。これは過去の判例にもとづいた法的に適正な基準であり、弁護士が相手方の保険会社と交渉するときに使用されます。

裁判基準による後遺障害11級の慰謝料は420万円

後遺障害11級の場合、裁判基準による後遺障害の慰謝料は「420万円」。裁判になれば、保険会社はこの金額を支払うことになります。したがって、弁護士に依頼することで285万円アップする可能性が高いのです(さらに入通院慰謝料も裁判基準にもとづいた金額にアップします)。

後遺障害11級の慰謝料を増額させる際の注意点

裁判には半年以上の期間が必要。示談交渉でも245万円ほど増額

後遺障害の慰謝料をはじめ、弁護士による損害賠償金の請求は基本的に示談交渉から始まります。訴訟を起こせる弁護士が交渉することによって、保険会社の譲歩を引き出せるのです。一般的に裁判は半年以上の期間がかかるため、早期解決を望む場合は示談交渉がいいでしょう。

示談交渉で譲歩を引き出せる金額は「裁判基準」の9割前後

示談交渉後の慰謝料額は弁護士の交渉力や保険会社の対応などによって変わりますが、おおむね裁判基準の9割前後です。つまり、後遺障害11級では「約380万円」。自賠責基準から245万円ほど増額します。

保険会社の「これが最大限の金額」という説明は正しくない?

被害者本人が相手方の保険会社と交渉しても、裁判基準による慰謝料が提示されることはありません。担当者から「これが最大限の金額です」などと増額した慰謝料を説明されるケースもありますが、それは自賠責基準よりも少し高い程度。「任意保険基準」と呼ばれる各保険会社の独自基準で計算しただけです。

保険会社は支払い額をおさえたいので、丁寧に説明しない

つまり、担当者の説明は「社内基準では最大限の金額」という意味にすぎません。裁判基準ではさらに高い金額になるとわかっていても、自社の支出(保険金の支払い額)が増えるだけ。それゆえ、丁寧に説明してくれないのです。

後遺障害の適正な等級認定を受けるためのポイント

事故発生当初から定期的に通院し、一貫した症状を訴える

一般的な意味での「後遺症」と、法律で定められた「後遺障害」は少し定義が異なります。「後遺障害」に認められるためには、以下のような条件を満たし、なおかつ診断書や資料などで存在を証明する必要があります。

  1. 事故の状況と被害者が医師に申告する症状の程度が一致している
  2. 事故発生当初から医療機関へ定期的に通院している
  3. 事故当初から被害者が訴える症状が続いており、一貫性がある
  4. 症状が重いと認められ、日常生活において症状が継続している
  5. 症状と矛盾のない画像診断や検査結果がある

「仕事が忙しいから」と通院をおこたるのは禁物

たとえば「仕事が忙しいから」と痛みをガマンして通院をおこたると、上記②の条件が満たされません。「定期的に通院していない」=「たいしたケガではない」=「後遺障害にはあたらない」と判断される可能性があります。

重要な認定資料「後遺障害診断書」の作成に不慣れな医師も

後遺障害11級の労働能力喪失率は20%。気づきづらい症状もあるため、医師との密なコミュニケーションが重要になります。もしも医師に自覚症状を詳しく伝えなければ、実際の障害と診断書の内容にズレが生じかねません。

通院期間中から交通事故の分野に精通した弁護士に相談すべき

後遺障害の適正な等級認定を受けるためには、カルテや診断書はもちろん、「後遺障害診断書」を詳細かつ正確に記載してもらうことが重要です。医師のなかには後遺障害診断書の作成に不慣れな方もいるので、通院期間中から交通事故の分野に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

後遺障害11級の認定基準とは?

10分類のいずれかにあてはまれば、認定を受けられる

後遺障害の等級はもっとも重いものが1級、そこから軽くなるごとに級数が増え、もっとも軽い等級が14級です。さらに障害を負った部位によって、後遺障害11級は1号から10号に分類されています。

的確な認定を受けて、適正な損害賠償金を請求

11級は軽い眼や耳に関する後遺障害が多く、日常生活に重大な支障をきたすレベルではありません。しかし、適正な損害賠償金を請求するためには的確な認定を受けるべきです。

以下10分類のいずれかにあてはまれば、原則として11級に認定されます(12級以下の後遺障害が複数残っていると、併合で11級に認定される場合もあります)。

後遺障害11級/10段階の分類
1号 両眼の眼球に著しい調節機能障害、または運動障害を残すもの
2号 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3号 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
4号 10歯以上に対し歯科補綴をくわえたもの
5号 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
6号 1耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
7号 脊柱に変形を残すもの
8号 1手の人差し指、中指、または薬指を失ったもの
9号 1足の第1の足指を含み、2以上の足指の用を廃したもの
10号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの

後遺障害11級と判断される具体的な症状

1)両眼の眼球に著しい調節機能障害、または運動障害を残すもの

「調節機能障害」とは、遠くのものや近くのものを見たときにピントを合わせる機能に障害が起こることです。この機能が2分の1以下になった場合に“著しい調節機能障害”と判断されます。また、眼だけでものを追える範囲(注視野)が2分の1になった場合に“著しい運動障害”とされます。

2)両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

「まぶたを開けているつもりでも、十分に開かずに瞳孔が隠れたまま」「まぶたを閉じているつもりでも、実際には閉じられない」「まばたきがうまくできない」などの状態が“著しい運動障害”と判断されます。

3)1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

「片方の眼のまぶたを全部、もしくは大部分を失い、眼を閉じたときに全体を覆うことができない状態」です。両方の眼のまぶたに著しい欠損が残った場合は9級となります。

4)10歯以上に対し歯科補綴をくわえたもの

歯科補綴(ほてつ)とは、歯科医による適切な治療のこと。交通事故により歯が失われたり欠けたりした後、「差し歯を入れたりブリッジなどで義歯をつけたりした場合」です。日常生活に不便はなくても、後遺障害として認められます。

5)両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

具体的には「両耳の平均純音聴力レベルが40デシベル以上70デシベル未満」になった状態です。もともと耳がよく聞こえない人だと、事故による聴力の低下に気づかない場合もあります。

6)1耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

具体的には「片方の耳の平均純音聴力レベルが70デシベル以上80デシベル未満で、かつ最高明瞭度が50%以下」になった状態です。上記5号の場合と同じく、耳の調子がおかしいと思ったら早期に耳鼻科で検査を受けましょう。

7)脊柱に変形を残すもの

脊柱とは、背骨のこと。具体的な認定基準は「レントゲンやCT検査などで明らかに脊柱が潰れていることが確認できる」「脊柱固定手術で人工関節を埋めこまれている」「3個以上の脊柱に椎弓切除術が施されている」などの状態です。脊柱の変形により運動障害が生じた場合、等級が6級や8級に上がります。

8)1手の人差し指、中指、または薬指を失ったもの

片方の手の人差し指、中指、または薬指のどれか1本を失った場合です。指を失った状態とは「親指以外の第2関節より先を切断してしまった状態」です。

9)1足の第1の足指を含み、2以上の足指の用を廃したもの

片方の足の2本以上の指(親指を含む)の用を廃した場合です。ここでの“用を廃した”とは「指の長さが半分以下になってしまった」「親指の第1関節より先の可動域が2分の1以下になった」「その他の指の第2関節より先の可動域が2分の1以下になった」などの状態をさします。

10)胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの

内蔵の機能障害によって、事故以前のように働けなくなった状態をさします。具体的には「心臓の人工弁置換術を受けた」「肝損傷や急性肺動脈血栓症などの後遺症が残った」などの場合が該当。どの程度仕事に支障が出てくるかによって、等級は上下します。

後遺障害の認定サポートを行っている弁護士に相談

あくまで医師は治療のプロであって、後遺障害認定の専門家ではありません。被害者本人は上記の分類にあてはまると思っていても、カルテや診断書、検査結果などの記載内容によって11級に認定されない可能性もあります。適正な等級認定を得るためには、後遺障害の認定サポートを行っている弁護士に相談したほうがいいでしょう。

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