後遺障害の等級認定

等級ごとの慰謝料想定額や等級への認定基準などについて

交通事故の後遺障害7級の慰謝料相場は?その症状と認定基準も解説!

この記事のポイント

後遺障害7級の慰謝料相場「自賠責基準」409万円→「裁判基準」1,000万円

弁護士に依頼すれば、「自賠責基準」による最低限の慰謝料ではなく、「裁判基準」にもとづいた適正な慰謝料を得られる。その増額目安は490万円~590万円ほど。裁判をすれば満額(1,000万円)、示談交渉では9割程度の金額(約900万円)になる可能性が高い。

※上記の金額は「後遺障害慰謝料」を示したものです。損害賠償金には、その他に「入通院慰謝料」「治療関係費」「休業損害」「逸失利益」などが含まれます。
※示談交渉によって得られる慰謝料は個別のケースによって異なります。

弁護士に依頼すると、どのくらい慰謝料が増額する?

自賠責保険による慰謝料から600万円近くアップ!

ケガが治った後でも身体に残っている障害のことを「後遺障害」といいます。この障害が交通事故のせいで生じた場合、加害者に「後遺障害慰謝料」を請求することができます。そこで本稿では、後遺障害7級に対する慰謝料や認定基準などについて、わかりやすく解説していきます。

自賠責保険では必要最低限の補償しか支払われない

後遺障害慰謝料は「自動車損害賠償保障法」に定められた後遺障害の等級と支払い基準によって計算されます。強制保険である自賠責保険では、後遺障害7級の慰謝料は「409万円」。しかし、この「自賠責基準」は国が決めた必要最低限の補償にすぎません。

裁判では、もっとも慰謝料の高い基準が使われる

慰謝料の算出基準には「自賠責基準」の他に「任意保険基準」「裁判基準(弁護士基準)」があります。3つの基準のなかでもっとも金額が高くなるのは「裁判基準」です。これは過去の判例にもとづいた法的に適正な基準であり、弁護士が相手方の保険会社と交渉するときに使用されます。

裁判基準による後遺障害7級の慰謝料は1,000万円

後遺障害7級の場合、裁判基準による後遺障害の慰謝料は「1,000万円」。裁判になれば、保険会社はこの金額を支払うことになります。したがって、弁護士に依頼することで600万円近くアップする可能性が高いのです(さらに入通院慰謝料も裁判基準にもとづいた金額にアップします)。

後遺障害7級の慰謝料を増額させる際の注意点

裁判には半年以上の期間が必要。示談交渉でも500万円近く増額

後遺障害の慰謝料をはじめ、弁護士による損害賠償金の請求は基本的に示談交渉から始まります。訴訟を起こせる弁護士が交渉することによって、保険会社の譲歩を引き出せるのです。一般的に裁判は半年以上の期間がかかるため、早期解決を望む場合は示談交渉がいいでしょう。

示談交渉で譲歩を引き出せる金額は「裁判基準」の9割前後

示談交渉後の慰謝料額は弁護士の交渉力や保険会社の対応などによって変わりますが、おおむね裁判基準の9割前後です。つまり、後遺障害7級では「約900万円」。自賠責基準から500万円近く増額します。

保険会社の「これが最大限の金額」という説明は正しくない?

被害者本人が相手方の保険会社と交渉しても、裁判基準による慰謝料が提示されることはありません。担当者から「これが最大限の金額です」などと増額した慰謝料を説明されるケースもありますが、それは自賠責基準よりも少し高い程度。「任意保険基準」と呼ばれる各保険会社の独自基準で計算しただけです。

保険会社は支払い額をおさえたいので、丁寧に説明しない

つまり、担当者の説明は「社内基準では最大限の金額」という意味にすぎません。裁判基準ではさらに高い金額になるとわかっていても、自社の支出(保険金の支払い額)が増えるだけ。それゆえ、丁寧に説明してくれないのです。

後遺障害の適正な等級認定を受けるためのポイント

事故発生当初から定期的に通院し、一貫した症状を訴える

一般的な意味での「後遺症」と、法律で定められた「後遺障害」は少し定義が異なります。「後遺障害」に認められるためには、以下のような条件を満たし、なおかつ診断書や資料などで存在を証明する必要があります。

  1. 事故の状況と被害者が医師に申告する症状の程度が一致している
  2. 事故発生当初から医療機関へ定期的に通院している
  3. 事故当初から被害者が訴える症状が続いており、一貫性がある
  4. 症状が重いと認められ、日常生活において症状が継続している
  5. 症状と矛盾のない画像診断や検査結果がある

「仕事が忙しいから」と通院をおこたるのは禁物

たとえば「仕事が忙しいから」と痛みをガマンして通院をおこたると、上記②の条件が満たされません。「定期的に通院していない」=「たいしたケガではない」=「後遺障害にはあたらない」と判断される可能性があります。

重要な認定資料「後遺障害診断書」の作成に不慣れな医師も

上記の条件を満たすためには、医師との密なコミュニケーションが重要です。医師に自覚症状を詳しく伝えなければ必要な検査が行われず、実際の障害と診断書の内容にズレが生じかねません。

通院期間中から交通事故の分野に精通した弁護士に相談すべき

後遺障害の適正な等級認定を受けるためには、カルテや診断書はもちろん、「後遺障害診断書」を詳細かつ正確に記載してもらうことが重要です。医師のなかには後遺障害診断書の作成に不慣れな方もいるので、通院期間中から交通事故の分野に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

後遺障害7級の認定基準とは?

13分類のいずれかにあてはまれば、認定を受けられる

後遺障害の等級はもっとも重いものが1級、そこから軽くなるごとに級数が増え、もっとも軽い等級が14級です。さらに障害を負った部位によって、後遺障害7級は1号から13号に分類されています。

的確な認定を受けて、適正な損害賠償金を請求

後遺障害7級の労働能力喪失率は56%なので、決して軽い障害とはいえません。
事故前に行っていた仕事をそのまま続けることは難しいため、的確な認定を受けて適正な損害賠償金を請求しましょう。

以下13分類のいずれかにあてはまれば、原則として7級に認定されます(8級以下の後遺障害が複数残っていると、併合で7級に認定される場合もあります)。

後遺障害7級/13段階の分類
1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
2号 両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3号 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
4号 神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6号 1手の親指を含み3の手指を失ったもの、または親指以外の4の手指を失ったもの
7号 1手の5の手指、または親指を含み四の手指の用を廃したもの
8号 1足をリスフラン関節以上で失ったもの
9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10号 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11号 両足の足指の全部の用を廃したもの
12号 外貌に著しい醜状を残すもの
13号 両側の睾丸を失ったもの

後遺障害7級と判断される具体的な症状

1)1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの

交通事故が原因で失明し、視力が低下したケースに限られます。視力については「メガネやコンタクトレンズなどで視力矯正をしても0.6以下となること」が条件です。

2)両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

具体的には「両耳の平均純音聴力レベルが70デシベル以上」「50デシベル以上で、かつ最高明瞭度が50%以下」となった状態をさします。

3)1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

具体的には「片方の耳の聴力が完全に失われ、他方の平均純音聴力レベルが50デシベル以上」になった状態をさします。

4)神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

“軽易な労務”とは、過去の判例や慣例によると「一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多い、などのことから一般人と同等の作業を行えないもの」とされています。

5)胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

呼吸器や心臓などの機能障害によって、労働力が低下した場合です。“軽易な労務”の基準は上記4号と同じです。

6)1手の親指を含み3の手指を失ったもの、または親指以外の4の手指を失ったもの

片方の手の親指を含む3本の指を失った場合、または親指以外の4本の指を失った場合です。

7)1手の5の手指、または親指を含み4の手指の用を廃したもの

片方の手の5本の指全部、または親指を含む4本の指の用を廃した場合です。ここでの“用を廃した”とは「麻痺などで指が動かなくなった」といった状態です。

8)1足をリスフラン関節以上で失ったもの

足首から「リスフラン関節」の間で片足が切断されてしまった場合です。リスフラン関節とは、足の甲の中央あたりにある関節です。

9)1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

片腕に「偽関節」ができてしまい、大きな運動障害が残った場合です。偽関節とは、骨折後に骨がくっつかずに関節のように動いてしまう状態。最近では再手術などで治る場合が多く、この後遺障害が認定されることは少なくなっています。

10)1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

片足に「偽関節」ができてしまい、大きな運動障害が残った場合です。上記9号と同様に、最近はこの後遺障害が認定されることは少なくなっています。

11)両足の足指の全部の用を廃したもの

両足のすべての足指の用が廃した場合です。ここでの“用を廃した”とは「両足の親指の末節骨の長さの2分の1以上を失った」「両足の親指以外の4本の指すべてが末節骨から中節骨の間で切断された」「両足の指が切断されなくても指の可動域が2分の1以下になった」などの状態をさします。

12)外貌に著しい醜状を残すもの

頭・顔・首(外貌)にひどい傷跡(醜状)が残ってしまった場合です。具体的には「頭に手の平以上のサイズの傷跡や頭蓋骨の欠損が残ったもの」「顔にニワトリの卵サイズ以上の傷跡、または10円玉サイズ以上のくぼみが残ったもの」「首に手の平サイズ以上の傷跡が残ったもの」などの状態が該当します。

13)両側の睾丸を失ったもの

上記のほかに「精液の中に精子が存在しなくなった」「両側の卵巣を失った」「卵子が形成されなくなった」といった場合も7級13号に認定されます。

後遺障害の認定サポートを行っている弁護士に相談

あくまで医師は治療のプロであって、後遺障害認定の専門家ではありません。被害者や家族は上記の分類にあてはまると思っていても、カルテや診断書、検査結果などの記載内容によって7級に認定されない可能性もあります。適正な等級認定を得るためには、後遺障害の認定サポートを行っている弁護士に相談したほうがいいでしょう。

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