交通事故の後遺障害2級の慰謝料相場は?その症状と認定基準も解説!

この記事のポイント

後遺障害2級の慰謝料相場「自賠責基準」958 or 1,163万円→「裁判基準」2,370万円

弁護士に依頼すれば、「自賠責基準」による最低限の慰謝料ではなく、「裁判基準」にもとづいた適正な慰謝料を得られる。その増額目安は960万円~1,410万円ほど。裁判をすれば満額(2,370万円)、示談交渉では9割程度の金額(約2,130万円)になる可能性が高い。

※上記の金額は「後遺障害慰謝料」を示したものです。損害賠償金には、その他に「入通院慰謝料」「治療関係費」「休業損害」「逸失利益」などが含まれます。
※示談交渉によって得られる慰謝料は個別のケースによって異なります。

弁護士に依頼すると、どのくらい慰謝料が増額する?

自賠責保険による慰謝料から1,200万円以上アップ!

ケガが治った後でも身体に残っている障害のことを「後遺障害」といいます。この障害が交通事故のせいで生じた場合、加害者に「後遺障害慰謝料」を請求することができます。そこで本稿では、後遺障害2級に対する慰謝料や認定基準などについて、わかりやすく解説していきます。

自賠責保険では必要最低限の補償しか支払われない

後遺障害慰謝料は「自動車損害賠償保障法」に定められた後遺障害の等級と支払い基準によって計算されます。介護を要さない後遺障害2級の慰謝料は「958万円」。介護を要する後遺障害2級の慰謝料は「1,163万円」です。しかし、この「自賠責基準」は国が決めた必要最低限の補償にすぎません。

裁判では、もっとも慰謝料の高い基準が使われる

慰謝料の算出基準には「自賠責基準」の他に「任意保険基準」「裁判基準(弁護士基準)」があります。3つの基準のなかでもっとも金額が高くなるのは「裁判基準」です。これは過去の判例にもとづいた法的に適正な基準であり、弁護士が相手方の保険会社と交渉するときに使用されます。

裁判基準による後遺障害2級の慰謝料は2,370万円

後遺障害2級の場合、裁判基準による後遺障害の慰謝料は「2,370万円」。介護の必要性にかかわらず、裁判になれば保険会社はこの金額を支払うことになります。したがって、弁護士に依頼することで約1,200万円、または約1,400万円アップする可能性が高いのです(さらに入通院慰謝料も裁判基準にもとづいた金額にアップします)。

後遺障害2級の慰謝料を増額させる際の注意点

裁判には半年以上の期間が必要。示談交渉でも1000万円前後増額

後遺障害の慰謝料をはじめ、弁護士による損害賠償金の請求は基本的に示談交渉から始まります。訴訟を起こせる弁護士が交渉することによって、保険会社の譲歩を引き出せるのです。一般的に裁判は半年以上の期間がかかり、示談交渉は数ヵ月で決着します。

示談交渉で譲歩を引き出せる金額は「裁判基準」の9割前後

示談交渉後の慰謝料額は弁護士の交渉力や保険会社の対応などによって変わりますが、おおむね裁判基準の9割前後です。つまり、後遺障害2級では「約2,130万円」。自賠責基準から約960万円、または約1,170万円増額します。

保険会社の「これが最大限の金額」という説明は正しくない?

被害者本人が相手方の保険会社と交渉しても、裁判基準による慰謝料が提示されることはありません。担当者から「これが最大限の金額です」などと増額した慰謝料を説明されるケースもありますが、それは自賠責基準よりも少し高い程度。「任意保険基準」と呼ばれる各保険会社の独自基準で計算しただけです。

保険会社は支払い額をおさえたいので、丁寧に説明しない

つまり、担当者の説明は「社内基準では最大限の金額」という意味にすぎません。裁判基準ではさらに高い金額になるとわかっていても、自社の支出(保険金の支払い額)が増えるだけ。それゆえ、丁寧に説明してくれないのです。

後遺障害の適正な等級認定を受けるためのポイント

事故発生当初から入通院し、一貫した症状を訴える

一般的な意味での「後遺症」と、法律で定められた「後遺障害」は少し定義が異なります。「後遺障害」に認められるためには、以下のような条件を満たし、なおかつ診断書や資料などで存在を証明する必要があります。

  1. 事故の状況と被害者が医師に申告する症状の程度が一致している
  2. 事故発生当初から医療機関へ定期的に通院している
  3. 事故当初から被害者が訴える症状が続いており、一貫性がある
  4. 症状が重いと認められ、日常生活において症状が継続している
  5. 症状と矛盾のない画像診断や検査結果がある

重要な認定資料「後遺障害診断書」の作成に不慣れな医師も

通院期間中から交通事故の分野に精通した弁護士に相談すべき

後遺障害の適正な等級認定を受けるためには、カルテや診断書はもちろん、「後遺障害診断書」を詳細かつ正確に記載してもらうことが重要です。医師のなかには後遺障害診断書の作成に不慣れな方もいるので、入通院の期間中から交通事故の分野に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

後遺障害2級の認定基準とは?

同じ2級でも介護の必要性によって慰謝料は異なる

後遺障害の等級はもっとも重いものが1級、そこから軽くなるごとに級数が増え、もっとも軽い等級が14級です。なかでも1級・2級は「要介護のもの」と「要介護でないもの」の2種類に大別され、同じ等級でも慰謝料の金額が大きく違います。

的確な認定を受けて、適正な損害賠償金を請求

後遺障害2級の労働能力喪失率は100%なので、社会復帰が不可能だとみなされています。被害者自身のショックだけでなく、介護する家族などにとっても負担の大きさははかりしれません。的確な認定を受けて、適正な損害賠償金を請求すべきです。保険金も高額になるため、示談交渉よりも裁判で争ったほうがいいでしょう。

「介護を要する後遺障害2級」の定義

以下2分類のいずれかにあてはまれば、原則として「介護を要する後遺障害」の2級に認定されます。

「介護を要する後遺障害2級」の定義
1号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

後遺障害2級と判断される具体的な症状(要介護)

介護が必要な2分類の詳細

1)神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

脳や神経に深刻な損傷を受け、生命を維持するためには随時介護が必要な状態です。神経系統の機能への著しい障害とは「脳や脊髄を損傷して両手足がマヒした状態」など。精神の著しい障害とは「高度の痴呆、情意の荒廃などの精神症状により、随時看視が必要な状態」をさします。

2)胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

日常生活の範囲は病床に限定され、随時他人の介護を要する場合です。具体的には、心臓、肺、肝臓、腎臓、すい臓、脾臓、胆のう、胃、腸、ぼうこうなどが損傷を受け、寝たきりとなっている状態が考えられます。

「介護が不要な後遺障害2級」の定義

後遺障害2級となるのは、上記の「介護を要するもの」だけではありません。以下4分類のいずれかにあてはまれば、原則として後遺障害2級に認定されます(3級以下の後遺障害が複数残っていると、併合で2級に認定される場合もあります)。

「介護が不要な後遺障害2級」の定義
1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
2号 両眼の視力が0.02以下になったもの
3号 両上肢を手関節以上で失ったもの
4号 両下肢を足関節以上で失ったもの

後遺障害2級と判断される具体的な症状

介護が不要な4分類の詳細

1)1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの

交通事故が原因で失明し、視力が低下したケースに限られます。視力については「メガネやコンタクトレンズなどで視力矯正をしても0.02以下となること」が条件です。

2)両眼の視力が0.02以下になったもの

交通事故が原因で視力が低下したケースに限られます。さらに裸眼視力ではなく「メガネやコンタクトレンズなどで視力矯正をしても0.02以下となること」が条件です。

3)両上肢を手関節以上で失ったもの

両腕のひじから下を失った場合です。具体的には「肘関節と手関節の間で上肢を切断」「手関節において橈骨および尺骨と手根骨を離断」した状態があります。

4)両下肢を足関節以上で失ったもの

両足のひざから下を失った場合です。具体的には「膝関節と足関節の間で下肢を切断」「足関節において脛骨および腓骨と距骨を離断」した状態があります。

後遺障害の認定サポートを行っている弁護士に相談

あくまで医師は治療のプロであって、後遺障害認定の専門家ではありません。被害者や家族は上記の分類にあてはまると思っていても、カルテや診断書、検査結果などの記載内容によって2級に認定されない可能性もあります。

介護の必要性が「常時」なら1級、「随時」なら2級

たとえば「高次脳機能障害」は2級に該当する場合があります。しかし、この分野は専門的知識が必要なため、深く理解していない医師もいるでしょう。また、後遺障害1級と2級の違いを判断するのも簡単ではありません。介護の必要性が「常に」認めれば1級になり、「随時」であれば2級になります。

したがって、適正な等級認定を得るためには後遺障害の認定サポートを行っている弁護士に相談することをおすすめします。特に賠償金が多額になる重い後遺障害では、裁判での実績も確認しておきましょう。

交通事故に巻き込まれてしまい、弁護士をお探しの方へ

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