• HOME
  • 交通事故の示談交渉
  • 交通事故の示談について徹底解説!~示談交渉の流れと注意点、必要書類・資料のすべてを網羅

交通事故の示談について徹底解説!~示談交渉の流れと注意点、必要書類・資料のすべてを網羅

この記事のポイント

  • 示談交渉を有利に進めるためには、まずは交通事故の類型ごとの示談交渉の流れを確認する。
  • 示談交渉では、相手(保険会社)との力の差を埋めることが重要。
  • 示談交渉では、しっかりと準備をして、結果を焦らないことが重要。
  • 示談交渉では、損害額と過失割合の両方がポイントとなる。
  • 人身事故の場合には、事故当初から必ず人身事故として届け出る。
  • 示談交渉を有利に進めるためには、交通事故ごとの必要書類や資料をもれなく揃えて適切に書類作成をすることが重要。
  • 示談交渉で良い結果を得るためには、弁護士に示談交渉を依頼することが役に立つ。

交通事故の示談交渉とは

交通事故の被害に遭うと、事故後に相手と示談交渉を進めることが一般的ですが、「示談交渉」とは、いったいどのようなことなのでしょうか?

示談交渉は、相手に対する損害賠償金の請求の手続です。交通事故に遭った被害者は、事故によっていろいろな損害を被ることになります。たとえば、治療費や入員雑費、文書料(診断書の費用)や休業損害、慰謝料や逸失利益などがあります。このような損害は、相手の不法行為によって発生したものですから、相手に支払い請求をすることができます。

実際に請求を行うときには、まずは話合いによって支払いを求めることが普通です。そこで、「示談交渉」することにより、損害賠償請求をするのです。

示談交渉によって相手から支払いを受けるお金である「示談金」は、交通事故の「損害賠償金」です。示談金をもらうということは、相手から交通事故についての損害賠償金を支払ってもらうことを意味します。

示談交渉は、被害者の救済のために非常に重要な手続きですが、実際にはうまく進めるかどうかによって受けとることができる賠償金の金額が大きく変わって来ます。示談交渉を有利に進めると、高額な賠償金の支払いを受けられますが、反対に、示談交渉に失敗すると、同じ損害を被っていても賠償金が低くなってしまい、被害者の不利益が大きくなります。示談交渉を有利に進めるためには、示談交渉の正しい進め方と注意点、必要書類や資料などを正確に把握しておく必要があります。

交通事故の示談交渉の相手

次に、示談交渉の相手はどのような人になるのか、確認しましょう。通常は、相手の保険会社です。相手の保険会社というのは、相手が加入している任意保険会社の担当者のことです。

自動車保険には2種類がある

日本では、自動車保険に2種類があります。1つは自賠責保険で、もう1つは任意保険です。自賠責保険は法律によって加入を義務づけられている強制加入の保険です。ただ、自賠責保険に加入していても、自賠責保険の担当者が代わりに示談交渉をしてくれることはありません。

任意保険は、強制加入ではないので、各ドライバーが任意で加入しています。自賠責保険は限度額が低く、それだけでは被害者に対する賠償金が足りなくなるおそれが高いので、多くの人が自主的に任意保険に加入しているのです。任意保険に加入していたら、事故を起こしたときに被害者に対する賠償金を保険会社が負担してくれるので安心です。日本では、7割以上のドライバーが任意保険に加入しています。

任意保険には示談代行サービスがついている

そして、任意保険に加入していると、被害者との示談交渉は任意保険会社が代行してくれます。任意保険の対物賠償責任保険や対人賠償責任保険には、保険会社が相手と示談交渉をしてくれるという示談代行サービスがついているからです。そこで、被害者側から見ると、相手と示談交渉するときには、相手の任意保険の担当者が出てくることになります。

相手方が無保険なら、示談交渉の相手は加害者本人になる

ただ、相手が任意保険に加入していないケースでは、相手の保険会社が示談交渉を代行しません。自賠責保険には示談代行サービスがないので、相手が自賠責保険に加入していても、任意保険に加入していない限りは相手の保険会社が出てこないので、注意が必要です。この場合には、相手本人が示談交渉の相手になります。本人が相手の場合、お互いが素人なために示談交渉の進め方がわからないことが多く、示談交渉を冷静に進めることも難しくなるので、示談をまとめることが困難になってしまうことが多いです。相手が無保険で示談を有利に進めるためには、通常のケースとは違った工夫が必要です。

交通事故の示談交渉の流れ

次に、示談交渉の流れを確認しましょう。これについては、交通事故の種類によって異なります。交通事故には、物損事故と人身事故があります。

物損事故とは、事故による損害が物の破損のみのケースです。代表的なケースは車が毀れることですが、車だけではなく車内の物品が破損することもありますし、商店や住居などの建物に突っ込んだりガードレールを壊したりする場合も含まれます。

人身事故とは、交通事故によって人の生命や身体に損害が発生するケースです。具体的には、被害者が死亡したりけがをしたりしたケースです。被害者が死亡または傷害を負ったら、車に破損が発生していても人身事故になります。

物損事故の場合の示談の流れ

それでは、物損事故の場合の示談の流れを確認しましょう。物損事故の場合、交通事故時に警察を呼び、事故の報告をします。このとき、物損事故として届け出ると、その後物損事故扱いとなります。そして、事故後には自動車を修理工場に出して、修理見積もりを出してもらいます。そうすると、損害賠償に必要な資料が整うので、相手と示談交渉を開始します。示談によって損害賠償金が確定したら、お互いの過失割合を決定します。これにより、支払いを受けるべき示談金の金額が決まり、合意ができます。合意ができると示談書を作成し、その後決まった示談金を支払ってもらうことができます。

人身事故(傷害)の場合の示談の流れ

次に、人身事故の示談の流れを確認しましょう。人身事故には傷害事故と死亡事故があります。人身傷害事故とは、被害者がけがをした場合の人身事故で、死亡事故とは被害者が死亡した場合の交通事故です。事故時に即死した場合も死亡事故ですが、すぐには亡くならず、しばらく入院治療をした後に死亡した場合も死亡事故となります。

人身傷害事故の示談が始まるタイミング

人身事故(傷害)の場合には、示談交渉が長引くケースが非常に多いです。まず、この場合、示談交渉をはじめるタイミングが遅くなります。傷害のケースでは、被害者のけがが完治するか症状固定するまで、損害の内容が確定しません。傷害場合の損害には、治療費や入通院慰謝料などをすべて含みますが、これらは「どのくらいの期間入通院が必要になったか」によって金額が変わってきます。そこで、入通院が終わるまで、どのくらいの金額が必要になるのか、確定できないのです。そこで、示談交渉を開始するまで、被害者は入通院治療を継続しないといけません。治療に数年間かかる場合もありますが、そういった場合でも、治療が終了しない限りは示談交渉を開始出来ないのです。

医師の判断で症状固定または完治したとされて治療を終了したら、ようやく示談交渉を開始します。

後遺障害等級認定請求をする

人身傷害事故の場合、示談交渉が始まってもまた1つハードルがあります。それは、後遺障害等級認定の手続きです。交通事故でけがをすると、さまざまな後遺障害が残る可能性があります。後遺障害は、内容や程度によって1級から14級までの等級があり、等級に応じて後遺障害慰謝料や逸失利益を支払ってもらうことができます。そこで、被害者がこれらの賠償金を支払ってもらうためには、後遺障害の等級認定を受ける必要があります。後遺障害の内容が確定するのは、治療を終了して症状固定した時点なので、治療が終わったら、被害者は速やかに後遺障害の等級認定請求をしなければなりません。

後遺障害の等級認定の方法には、事前認定と被害者請求の2種類がありますが、このことについては、後に詳しく説明します。

示談交渉をすすめて示談書を作成する

後遺障害の等級認定を受けることができたら、認定された等級を前提として、相手と示談交渉を進めます。示談交渉においては、ケースごとにどのような損害が発生しているかを細かく計算し、すべてについて資料を用意して、1つ1つ認定していきます。そして、資料があるものについては支払いをすべく、話合いを詰めていきます。損害額が確定したら、お互いの過失割合を決定します。

これにより、お互いに合意ができるので、合意内容をまとめた示談書を作成します。相手が保険会社の場合、示談書を作成して送付してくれるので、それに署名押印して日付を入れて返送したら、相手から示談金の振り込み送金を受けることができます。

人身事故(死亡)の場合の示談の流れ

誰が示談交渉を進めるのか?

次に、人身事故(死亡)の場合の示談の流れを確認しましょう。死亡事故の場合、そもそも誰が被害者側の示談をすすめるのかが問題です。被害者自身が死亡しており、自分で示談交渉を進めることはできないからです。

この場合、被害者の遺族が示談交渉をすすめます。ただ、遺族なら誰でも良いということではなく、示談交渉を進めることができるのは、「法定相続人」のみです。法定相続人とは相続人になるべき人のことで、民法によってケースごとの法定相続人が決められています。たとえば、被害者に配偶者と子どもがいたら、配偶者と子どもが法定相続人になるので、それらの人が相手と示談交渉をします。複数の法定相続人がいる場合に示談交渉を進めるためには、遺族の代表者を決める必要があります。代表者を決めて相手に連絡を入れると、基本的に相手との連絡は代表者を通じて行うことになります。

死亡事故で示談交渉を始めるタイミング

死亡事故の場合、示談交渉を始めるタイミングも問題になります。一般的には、49日の法要が終わった頃に始まることが多いです。ただ、このタイミングで必ず示談を始めなければならない、という意味ではありません。どうしても示談する気持ちになれないなら、しばらく放っておいてもかまいません。ただ、示談交渉には時効があるので、時効完成前に示談する必要があります。

示談交渉が始まったら、各損害賠償の項目にあてはめて計算をして、損害額を確定します。

死亡事故の場合、特に過失割合に注意!

損害額が確定したら、お互いの過失割合を決めます。死亡事故では、被害者が自分で事故状況を主張できません。このことにより、被害者側の過失割合を大きくされてしまうことも多いので、注意が必要です。

示談金の受取と分配を行う

損害額と過失割合について合意ができたら、最終的に支払いを受けられる賠償金の金額を決定ことができます。すると、その内容で示談書を作成します。相手の保険会社から示談書が送られてくるので、遺族(法定相続人)全員が署名押印する必要があります。相手に示談書を送り返すと、こちらが指定した銀行口座宛に示談金が振り込まれます。

法定相続人が複数いる場合には、振り込まれた示談金を分配しなければなりません。その場合の分配割合は、法定相続分に従います。たとえば、配偶者と子どもが法定相続人となる場合には、それぞれの法定相続分は、配偶者が2分の1、子どもが2分の1となります。

交通事故の示談交渉の注意点

腕組み

次に、示談交渉を進める際の注意点やポイントをご紹介します。

物損事故か人身事故かに注意する

人身事故なら示談金が高額になる

示談交渉をするとき、物損事故か人身事故かで大変大きな違いがあります。上記のように、示談の流れも全く異なりますし、受けとることができる賠償金の項目、数、金額も全く異なります。物損事故なら、車の修理代や代車費用くらいしか請求できませんが、人身事故になると、治療費や入通院慰謝料、後遺障害慰謝料や逸失利益、休業損害など、いろいろな損害賠償請求ができますし、金額も高額になります。

人身事故か物損事故かを決めるのは警察への届出方法

人身事故か物損事故かの取扱を決めるのは、当初の警察への届出の方法です。事故を警察に報告するときに「物損事故」として届出をすると物損事故扱いになりますし、当初に警察に「人身事故」として届け出たら人身事故扱いとなります。物損事故になると、交通事故があったことの証明資料となる交通事故証明書には「物損」と記載されますし、人身事故になると、交通事故証明書に「人身」と記載されます。

後に相手の保険会社と示談交渉をするときには、交通事故証明書を提出してすすめることになるので、このとき「物損」と書かれているか「人身」と書かれているかによって、支払いを受けられる賠償金の金額が変わってきます。

人身事故なのに物損事故として届け出てしまうことが多い

警察へ届け出るとき、明らかに物損事故のケースや明らかに人身事故のケースならあまり問題になりませんが、物損事故か人身事故かが微妙なケースがあります。そうした場合、物損事故として届け出るのか人身事故として届け出るのかで、天と地ほどの違いが発生してきます。特に、事故現場では痛みやしびれなどの症状を自覚していなくても、後にけがの症状が出てくることも多いです。さらに、警察自身も人身事故として受理すると手続きが複雑になるので、なるべくなら物損として届けさせようとすることがあります。そこで、むちうちなどの場合、被害者が「物損」として届出てしまうことがあるのです。そのようなことになると、相手に治療費も慰謝料も逸失利益も休業損害も請求できなくなって、多大な不利益があります。

交通事故時に少しでも身体に衝撃を感じたら、相手や警察がなんと言おうとも、とりあえず人身事故として届出をしておくべきです。

物損事故から人身事故へ切り替える方法もある

なお、もし物損事故として届け出てしまった場合には、後から警察に人身事故の届出をすることにより、切り替えができるケースがあります。そのためには、事故後速やかに病院を受診して診断書を作成してもらい、警察に行って人身事故への切り替え申請をしましょう。交通事故後期間が経過すると切り替えてもらえなくなることが多いので、事故後1週間以内を目途として、とにかく早めに手続きすることが重要です。

相手との力の差があることを認識する

示談交渉をするときには、相手との力の差があることを認識することが重要です。交通事故で相手になる任意保険会社は、巨大企業です。自社内や業界内のマニュアルもありますし、長年の間に培われたノウハウもあります。顧問弁護士もついているので法的知識も豊富です。相手の担当者個人も社内で研修や訓練を受けていますし、日々多くの交通事故の示談を担当して事件処理をしているので、慣れています。

これに対し、交通事故の被害者は、ただの一個人で素人です。交通事故に遭うのも初めてですし、示談交渉をするのも初めて、法的知識やノウハウは0、ということが普通です。この時点で、ほとんど勝負はついていると言ってもよいかもしれません。保険会社と被害者との力関係にはもとから大きな差があるので、被害者が不利になるのは、むしろ当然のことなのです。被害者が有利に示談交渉を進めるには、その力の差を埋める工夫をしなければなりません。

準備が大切

示談交渉を進めるためには、準備も大切です。交通事故後、被害者はいろいろなことに煩わされますし、忙しくなります。身体が自由に動かなくなるために、治療をしたりその状態に慣れたりするために大変な苦労をしなければなりません。今まで簡単にできたことが難しくなるので、いちいち時間もかかりますし、今後のことが心配になって頭がいっぱいになることも多いです。

このような中、示談交渉が始まっても、全力投球することは難しいです。日々の生活もしながら示談をしなければならないので、示談は片手間になることもあります。そうした準備不足の姿勢で示談に臨むと、相手の提示した適当な条件に応じてしまい、結果的に本来請求できたはずの賠償金の請求ができなくなって、不利益を受ける可能性が高くなります。

示談交渉を有利に進めるためには、自分の生活やけがの治療などの問題はあっても、示談交渉の準備や心構えを確実に行い、適切に冷静に話を進めるための万全の体制を整える必要があります。

示談を急いではいけない

示談交渉をするときには、あせったり急いだりしてはいけません。人間は、「嫌なことは早く終わらせたい」と考えるものです。交通事故後の示談交渉や損害賠償などは、もっともうっとおしいことの1つであり、多くの被害者は、早期に解決したいと考えます。できれば早期に多くの賠償金を受けとりたいと考えていますが、「早く解決する」ことと「高額な支払いを受けること」は両立しないことが多いです。解決を急ぐと、どうしても相手の提示した不利な条件を受け入れることになりがちだからです。

被害者が不利な示談案を受け入れてしまう理由

相手が示談金を提案してきたとき、それを受け入れなければさらに示談交渉の期間が長引いてしまいます。受け入れたら、その時点で示談が成立して、問題から解放されると思うと、被害者はあせって示談してしまいがちです。

また、交通事故の示談金は、「示談が成立するまで」受けとることができません。人身傷害事故の場合などには、示談が成立するまでに数年間かかることもありますが、その場合、示談が成立するまではほとんどまったくお金を受け取ることができないのです。重篤な後遺障害が残った場合や死亡事故の場合などには、1億円を超える賠償金が発生することも多いですが、その場合でもやはり、示談金を受け取れるのは示談が成立した後です。

交通事故の被害者は、お金に困っていることも多いです。事故後はいろいろと今まで必要にならなかった費用が必要になりますし、仕事ができなくなって収入が減ってしまうことも多いからです。そうなると、被害者は、とにかく早めに示談をまとめて示談金を受け取りたいと考えてしまいます。そこで、相手の提示してきた低い示談金を受け入れて、示談してしまうのです。

焦って示談すると受けとる賠償金が減らされる

しかし、このようにして焦ったり急いだりして示談をしてしまったら、後から後悔します。重大な後遺障害が残った場合や死亡事故の場合で、1億円以上の損害が発生している場合でも、相手から5000万円の提示があってそれを受け入れてしまったら、その内容で示談が成立してしまいます。後で5000万円以上損をしたことに気づいて相手に文句を言っても、もはや支払いを受けることはできないのです。

そこで、示談交渉をするときには、絶対に焦らず急がず、落ち着いて話合いに臨むことが大切です。

示談金の提示を簡単に受け入れない

示談交渉を進めていると、相手から示談金の提示があります。この場合、簡単に提示内容を受け入れてはいけません。被害者が相手の保険会社と示談交渉をしているときには、相手は相場と比べて低額な示談金の提示をしていることが多いからです。

交通事故の損害賠償金の計算方法には、自賠責基準と任意保険基準、裁判基準(弁護士基準)の3種類がありますが、保険会社が素人の被害者と示談交渉をするときには、低額な自賠責基準や任意保険基準を利用して計算するため、示談金の金額が低くなります。裁判基準(弁護士基準)とは、裁判所が判決をするときに利用する正当な基準ですが、他の2つの基準で計算すると、裁判基準の2分の1や3分の1程度の金額にしかならないことが多いです。

なるべく高額な示談金の支払いを受けたいなら、裁判基準で計算する必要があります。裁判基準で示談金を計算するには、弁護士に相談をする方法がもっとも確実です。相手から示談金の提示があったら、すぐに受け入れるのではなく、いったん弁護士に相談をして、示談金額が妥当かどうか、計算してもらうことをおすすめします。

後遺障害の等級認定を受けるための2種類の方法

示談交渉を有利にすすめるためには、確実に後遺障害の等級認定を受けることが重要です。後遺障害の等級認定を受ける方法には、事前認定と被害者請求があります。事前認定とは、相手の任意保険会社に後遺障害の等級認定の手続きを任せる方法です。この方法は、必要書類も少なく手間がかかりませんが、被害者にとって重要な後遺障害の認定手続きを、事故の相手方である保険会社に任せるのですから、不安があります。

これに対し、被害者請求とは、被害者が自分で相手の自賠責保険に後遺障害等級認定請求をする方法です。この方法は必要書類も多く、非常に複雑で面倒ですが、確実に後遺障害の等級認定を受けることができます。高い等級の後遺障害を認定してもらえたら、その分高額な後遺障害慰謝料や逸失利益を支払ってもらえるので、利益が大きいです。

そこで、示談交渉でより多額の支払いを受けるためには、被害者請求をうまく使って高い等級の後遺障害の等級認定を受けることが大切です。

損害額と過失割合が重要

示談交渉では、損害額と過失割合の2つの要素が重要です。損害額とは、具体的にどのような損害が発生していて、それがいくらになるのかという計算です。たとえば、治療費が〇〇円、入通院慰謝料が〇〇円、後遺障害慰謝料が〇〇円などという1つ1つの金額です。

これに対し、過失割合とは、交通事故の結果について、事故の当事者のどちらにどれだけの責任があるか、という責任の割合です。たとえば、加害者:被害者=7:3や8:2などとなります。過失割合が高いと、相手に請求できる金額がその分減らされてしまいます。たとえば、被害者の過失割合が3割なら、相手に請求できる金額が3割減になります。このことを、過失相殺と言います。つまり、損害額をいくら高くしても、過失割合が高くなってしまったら、相手に請求できる金額は低くなってしまうのです。

たとえば、1億円の損害が発生していても、過失割合が3割なら相手に請求できる金額は7000万円(1億円×0.7)に減らされます。これに対し、損害額が8000万円でも、過失割合が1割なら、相手に請求できる金額は7200万円(8000万円×0.9)となり、むしろ先に例に出した1億円の損害が発生した事案より高額になります。

そこで、示談交渉をするときには、損害額だけではなく過失割合についてもしっかり検討する必要があります。被害者は、どうしても損害額の多寡にこだわってしまいがちですが、過失割合もそれと同じくらい重要だということを忘れてはなりません。

示談書にサインしたら取消ができない

示談交渉をするときには、示談書に署名押印することの重要性を認識しておかなければなりません。示談がまとまったら、相手の保険会社から示談書が送られてくるので、それに署名押印して返送したら、示談金が振り込まれます。示談の内容に本当に納得できるならそれでも問題はないのですが、そうでないケースには問題があります。

たとえば、焦って示談してしまったけれども、後からいろいろと調べてみたら、示談の金額が不当に安くなっていることが判明することもあります。そのとき、「やっぱりなかったことにしてほしい」と言っても通用しません。示談書は、いったん作成してしまったらその内容で示談が確定してしまうので、あとからやり直しをすることができないのです。

そこで、示談書にサインをするときには、「本当にそれで良いのか」じっくりと検討して、心から納得してからにすべきです。自分では知識が足りず、妥当な金額になっているかどうかがわからないことが普通なので、相手から示談書が届いたら、サインする前に弁護士のところに持っていって、署名押印して良いものかどうか相談しましょう。

3年以内に示談をまとめる必要がある

示談をするときには、慎重に対応しなければなりません。死亡事故の場合には、遺族がなかなか示談交渉する気持ちになれないこともありますし、傷害事故の場合には、治療が長引いて示談交渉を開始出来ないこともあります。

こういった場合、焦って早急に示談する必要はないのですが、示談交渉の期限内に話をまとめる必要があるので、注意が必要です。示談交渉は損害賠償請求の手続きですが、損害賠償請求権には、3年の時効があります。交通事故の場合には、事故発生日から3年が経過すると、損害賠償請求権が時効消滅して、相手に請求できなくなってしまいます(相手が判明している場合)。そこで、どんなに遅くとも、3年以内に示談をする必要があります。

3年以内に示談をまとめることができない場合には、一部を先に示談してしまって残りを後で話し合うことも可能ですし、裁判をすることによって時効を中断させる方法もあります。交通事故後相当な期間が経過してしまい時効が心配な場合には、弁護士に対応方法を相談しましょう。

交通事故の示談にかかる期間

カレンダー

次に、示談交渉にかかるだいたいの期間について、ご説明します。これは、「示談交渉が開始してから示談が成立するまでの期間」です。「交通事故後示談が開始するまでの期間」は含んでいないので、注意して下さい(「事故後示談が開始するまでの期間」については前述しています)。

物損事故の場合

物損事故の場合には、示談交渉は比較的早く終わります。交渉が開始してから1ヶ月以内に終わることが多いです。ただ、過失割合などの点でどうしても合意ができない場合には、訴訟になって半年以上がかかるケースもあります。

人身事故の場合

人身事故の場合、事故の内容によって示談交渉にかかる期間がかなり異なります。争いのある項目が多ければ示談交渉が長引きますが、争点がなければすぐに終わります。争点になるのは、損害額の計算方法と過失割合の点です。また、後遺障害の等級認定に時間がかかると、その分示談交渉が長くなります。

そこで、示談交渉の期間をまとめると、だいたい以下のようになります。

  • 損害額や過失割合に争いがない(少ない)事案 1ヶ月~3ヶ月程度
  • 損害額や過失割合に争いがある事案 3ヶ月以上
  • 損害額や過失割合に多くの争いがある事案 6ヶ月くらい
  • 後遺障害の等級認定手続きに時間がかかった 6ヶ月以上

あくまで目安ですが、上記を参考にすると良いでしょう。

また、示談でまとまらなかった場合には、訴訟(裁判)に移行することも多く、そうなるとさらに時間がかかります。争点の多い事件では裁判も長引くので、訴訟だけでも10ヶ月くらいかかることも多いです。そこで、人身事故の場合に訴訟になると、示談交渉の開始後示談が成立するまでの間だけでも1年以上かかるケースもでてきます。訴訟になったら時効が中断するので、時効による権利消滅の心配は不要ですが、早く解決することは難しくなるので、腰を据えて賠償金請求の手続に臨む必要があります。

弁護士に依頼すると、早めに解決できることが多い

早期に有利な条件で示談交渉をまとめるには、弁護士の腕が重要です。交通事故問題に強い弁護士に示談交渉をまかせたら、その分早く示談がまとまる可能性が高くなりますし、訴訟になっても有利です。示談交渉にかかる期間をなるべく短縮したい場合には、交通事故問題に力を入れている弁護士を探して手続を依頼しましょう。

交通事故の示談交渉の必要書類と資料

次に、示談交渉の必要書類や資料をご説明します。
これらについても、交通事故の種類によって異なりますので、以下では分けて解説します。

物損事故の場合

物損事故の場合には、以下のような書類が必要です。

  • 交通事故証明書(物損)
  • 修理の見積書
  • 事故車両の写真
  • 事故減価額証明書
  • 代車費用の領収証、計算書
  • 車の時価の証明書
  • 休車損害の証明書
  • レッカー費用、廃車費用などの領収証

交通事故証明書(物損)

まず、交通事故証明書が必要です。これは、交通事故を警察に届け出ることによって作成される書類です。物損事故の場合には、物損と記載されている交通事故証明書で足ります。入手したい場合には、自動車安全運転センターにて申請をしますが、近くの郵便局でも申請ができます。交通事故証明書には、交通事故の発生日、発生時刻、発生場所、事故の当事者名、住所、それぞれが加入している自賠責保険や任意保険の会社名などが記載されているので、示談交渉の基本となります。

修理の見積書

物損の場合には、車の修理費を相手に請求することになりますが、そのためには修理の見積書が必要です。修理工場に車を預けて見積書を出してもらいましょう。その後、相手の保険会社が調査をして、その金額が妥当であれば見積書記載の修理費用を支払ってくれます。

事故車両の写真

事故車両の写真も必要です。保険会社が調査するときに車の写真を撮影することもありますが、その内容に納得できないこともあるので、自分でも撮影しておくことが重要です。自動車を預ける前に、いろいろな角度から自動車の写真を撮影しておきましょう。破損部分は特に重点的に記録しておくべきです。

事故減価額証明書

物損の場合には、車の評価損を相手に賠償請求することがあります。評価損とは、事故車になったことにより、車の価値が減少したことについての損害です。これを請求するためには、「財団法人日本自動車査定協会」というところで自動車の査定を受けて、「事故減価額証明書」という書類を発行してもらうことが必要です。ここには、事故によっていくらの価値が減少したのかが書いてあります。

代車費用の領収証、計算書

物損事故の場合には、代車を利用することがあります。代表的なケースはレンタカーを利用する場合です。その場合には、レンタカー代を請求することができます。また、公共交通機関を利用したらその分の費用を請求できますし、必要に応じてタクシー代も請求できます。そこで、示談交渉の際にはこれらについての領収証や計算書が必要です。

車の時価の証明書

物損事故では、車の毀損が激しく、修理が不可能なケースがあります。その場合には、車を修理するのではなく買い換え費用の請求が必要です。買い換え費用の計算方法としては、事故車の事故前の査定額が基準となります。具体的には、同車種、色、同程度の走行距離、使用程度などの中古車両の時間を基準にします。そこで、自分でも中古車両の相場を調べて、その資料を相手に提出すると良いでしょう。

休車損害の証明書

事故車がタクシーやバスなどの場合には、事故に遭うことによって休車損害が発生します。休車損害とは、車が壊れて修理や買い換えが必要になることにより、営業ができなくなることによる損害です。これについては、事故前の該当車の営業利益から経費を差し引いた金額を基準にして計算をします。そこで、事故車があげていた収益がわかる売上帳などの資料と、かかっていたガソリンなどの経費がわかる資料が必要です。売上げから経費を差し引いた簡単な計算書も作成しましょう。休車日数も明らかにして、相手に送付しましょう。

レッカー費用、廃車費用などの領収証

物損事故の場合、車を運ぶためのレッカー費用や廃車費用などがかかることがあります。交通事故証明書の取得費用も請求できるので、これらの雑費の領収証もすべてとっておきましょう。

人身事故(傷害)の場合

次に、人身事故(傷害)の場合の必要書類をご説明します。

  • 交通事故証明書(人身)
  • 事故発生状況報告書
  • 診療報酬明細書
  • 給与明細書
  • 源泉徴収票
  • 確定申告書の控え
  • 賞与減額証明書
  • 休業損害証明書
  • 交通費、雑費の領収書
  • 通院交通費明細書
  • 診断書
  • 後遺障害診断書
  • 検査資料
  • 文書料

交通事故証明書(人身)

まず、交通事故証明書が必要です。人身事故なので、必ず人身の記載のあるものが必要となるので、注意が必要です。人身事故の証明書を発行してもらうには、事故当初に警察に人身事故として届け出る必要があります。物損として届け出た場合には、早期に人身事故への切り替え申請をしたら、人身事故へと切り替えをしてもらえる可能性があります。入手方法は、自動車安全運転センターにて申請をするか、郵便局で取得手続きをします(物損の場合と同じ)。

人身事故入手不能理由書

警察に申請をしても物損事故から人身事故への切り替えが認められなかった場合には、保険会社に「人身事故証明書入手不能理由書」を提出する必要があります。これは、人身と記載してある事故証明書を入手できない理由を記載した証明書です。保険会社に書式があるので、それを取り寄せて自分で理由を記載します。たとえば、警察に切り替え申請をしたけれども、受け付けてもらえなかった、などの事情を具体的に書きましょう。書き方がわからない場合には、弁護士に相談しましょう。

事故発生状況報告書

人身事故の場合には、事故発生状況報告書の作成と提出が必要です。この書面では、交通事故が起こった状況について、図面を使って説明する必要があります。道路の幅員や双方の車の速度、事故発生日時やそのときの天候などについても書かなければなりません。これらによって、過失割合の認定が変わってくることもあるので、できるだけ正確に記入する必要があります。相手の保険会社に書式があるので、取り寄せて自分で作成しましょう。うまく作ることができない場合には、弁護士に相談するとアドバイスをもらえます。

診療報酬明細書

診療報酬明細書とは、病院での治療費の明細書のことです。傷病名や病院名、入院や通院の日数やかかった費用の内訳などが書いてあります。病院で入通院治療をした場合、その病院で入手することができるので、病院に申請して取り寄せましょう。

給与明細書、源泉徴収票

人身事故の場合には、休業損害や逸失利益を請求することがあります。そのためには、給与所得者の場合、給与明細書や源泉徴収票が必要です。たとえば会社員やアルバイト、公務員などが被害者になったら、これらの書類を用意しておきましょう。

確定申告書の控え

休業損害や逸失利益を計算するとき、被害者が自営業者の場合には確定申告書の記載内容を基準にします。そこで、示談交渉するときには確定申告書の控えが必要です。また、確定申告書通りの収入ではなかったことを主張したい場合には、売上帳や入金の通帳、固定経費の領収証などが必要になることもあります。

賞与減額証明書

会社員などが交通事故の被害者になった場合には、ボーナス(賞与)が減額されることがあります。その場合には、ボーナスの減額分を支払ってもらえることがあります。そのためには、賞与減額証明書という書類が必要です。これは勤務先に作成してもらうものなので、相手の保険会社から書式を取り寄せて、会社に渡して作成してもらいましょう。

休業損害証明書

休業損害を請求するときには、休業日数と支払われなかった金額を証明する必要がありますが、サラリーマンや公務員などの人は、休業日数を簡単に証明することができます。そのためには、勤務先に休業損害証明書を作成してもらう必要があります。ここに被害者が会社を休んだ日にちを書き込んでもらうことにより、休業日数と損害額を計算することができるのです。保険会社に書式があるので、相手から取り寄せて会社に提出し、記載してもらいましょう。

交通費や雑費の領収書

交通事故のけがの治療のために交通費がかかったら、その費用も請求することができます。また、入院していた場合や通院治療をする際に実費夜間後費用がかかることもあります。これらについても、相手に請求することができるので、領収証をとっておかないといけません。たとえば、公共交通機関の領収証やICカードの利用履歴、高速代の領収証やタクシー代の領収証などをとっておきましょう。

通院交通費の明細書

通院交通費がかかった場合には、かかった費用をまとめて通院交通費の明細書を作成する必要があります。これについても、保険会社に書式があるので、取り寄せて記載して提出しましょう。

診断書

人身事故では、診断書が非常に重要です。診断書には、具体的傷病名や治療経過、今後の治療の見通しなどが記載されています。休業損害を請求する際などには、「〇〇まで自宅療養が必要」などと書いてもらうことが必要ですし、症状固定時が争いになった場合などには「~頃に症状固定の見込み」「症状固定時期は不明」などと書いてもらうと役立ちます。
診断書は、かかっている病院の医師に依頼して作成してもらう必要があります。

後遺障害診断書

後遺障害が残って後遺障害の等級認定を受けるためには、後遺障害診断書が必要です。これは、通常の診断書とは異なり、後遺障害の認定を受けるための特別の書式の診断書です。後遺障害診断書の書式は保険会社に用意されているので、取り寄せてそれを病院に持っていき、医師に依頼して作成してもらう必要があります。後遺障害診断書の内容によって、後遺障害の認定を受けられるかどうかや、認定される等級が変わってくるので、非常に重要です。信頼できる良い専門医を探して診療を受け、適切な内容の後遺障害診断書を作成してもらうことが高い等級の後遺障害認定を受けるための近道です。

検査資料

後遺障害の等級認定請求をするとき、被害者請求をするなら、病院での検査資料が必要です。レントゲン検査やMRI検査の画像診断の資料などです。病院に申請をして貸し出してもらうことなどが必要になります。

文書料の領収証

文書料とは、診断書取得費用や診療報酬明細書の取得費用、検査資料の取得費用などです。これらを取得すると病院に支払をしなければならないことが多いですが、それらの費用は相手に請求することができます。そこで、病院に支払った文書料の領収証もまとめてとっておきましょう。

人身事故(死亡)の場合

死亡事故の場合には、以下のような書類が必要です。死亡事故のみで必要になる書類もありますが、即死事案ではなく、しばらく通院した後死亡した場合には、傷害のケースと同様の書類が必要になることもあります。

  • 交通事故証明書(人身)
  • 診断書死亡診断書、死体検案書
  • 除籍謄本
  • 戸籍謄本
  • 事故発生状況報告書
  • 診療報酬明細書
  • 給与明細書
  • 源泉徴収票
  • 確定申告書の控え
  • 休業損害証明書
  • 交通費、雑費の領収書
  • 通院交通費明細書

交通事故証明書(人身)

まず、どのような事故でも共通ですが、交通事故証明書が必要です。死亡事故の場合には「人身」と記載してあるものが必要です。死亡事故の場合には、物損として届出られるおそれはほとんど考えられません。普通に自動車安全運転センターか郵便局で取得することができます。

死亡診断書、死体検案書

被害者が死亡すると、継続的に治療を受けた後に死亡した場合には、担当していた医師に死亡診断書を作成してもらうことになりますが、そうでない場合(たとえば事故現場で即死した場合など)には死体検案書という書類が作成されます。これらによって死亡の事実と死亡原因などが明らかになるので、示談交渉の際に必要となります。死亡診断書や死体検案書は、死亡の診断や死体の検案をした医師に作成を依頼して発行してもらうことができます。死亡届や火葬のためにも必要な書類なので、特に意識して発行を依頼しなくても交付を受けられるのが普通です。

除籍謄本、戸籍謄本

死亡事故の場合には、被害者が死亡した事実を証明しなければなりません。そこで、被害者の死亡の事実が記載された除籍謄本や戸籍謄本が必要です。また、相続人が示談交渉をすることになるので、相続人が本当に相続人であるということを証明する必要があります。そのためには、遺族と被害者との関係を証明する戸籍謄本類も必要です。これらの戸籍謄本や除籍謄本は、本籍地のある市町村役場で取得することができます。本籍地が遠方の場合などには、郵送で取得することも可能です。

給与明細書、源泉徴収票、確定申告書の控え

死亡事故の場合には、被害者が仕事を得て収入を得ていた場合、逸失利益が発生します。被害者が死亡することにより、本来得られるはずだった収入を得られなくなるからです。
そこで、この死亡逸失利益を計算するために、給与明細書や源泉徴収票(給与所得者の場合)、確定申告書の控えが必要となります。

人身傷害事故と共通の書類

以下は、人身傷害事故と共通の書類です。被害者が即死せず、しばらく治療をしてから死亡した場合には、入院に関する費用や休業損害などを請求することができるので、それらに関する資料が必要になります。

事故発生状況報告書

死亡事故の場合にも、事故発生状況報告書が必要です。これについての作成方法や作成する目的は、人身傷害事故と同じです。

診療報酬明細書

死亡事故の場合にも、しばらく入院してから死亡した場合などには病院の治療費や検査費用、投薬料などが発生します。そこで、診療報酬明細書が必要です。

休業損害証明書

死亡事故の場合でも、しばらく入院して死亡した場合などには休業期間が発生することがあります。その場合には、傷害事故の場合と同様勤務先に依頼して、休業損害証明書を作成してもらう必要があります。

交通費、雑費の領収書、文書料の領収証

死亡事故の場合にも、交通事故証明書の取り寄せ費用や診断書の費用などが必要です。近親者が看護した場合などには通院の交通費も発生するので、それらの領収証を用意しましょう。

交通事故の実況見分調書とは

警察

交通事故の示談交渉で重要な書類に、「実況見分調書」があります。これは、事故を警察に届けたときに警察が実況見分を行ったときに、その結果を記した書類です。事故直後に警察が事故現場を保存したものなので、交通事故の状況について争いが発生したときに大変役立ちます。過失割合が問題になっているときに実況見分調書を取り寄せると、事故の状況が明らかになって争いが解決されることもあります。

実況見分調書を取り寄せるためには、弁護士に依頼して弁護士法23条照会という方法を利用する必要があります。そこで、相手の保険会社が主張する過失割合に納得できない場合には、弁護士に依頼して実況見分調書を取り寄せてもらいましょう。

交通事故の示談交渉を有利に進める方法

以上のように、示談交渉を進めるときには、ケースに応じていろいろな書類や資料が必要です。資料が足りていないと、必要な認定を受けられなくなって、示談交渉が不利になってしまうことも多いです。もれなく資料を集めて適切に書類を作成し、有利に示談交渉を進めるためには、示談交渉を弁護士に依頼することがもっとも効果的です。弁護士を選ぶときには、交通事故問題に強い弁護士を探すことが重要です。今は多くの弁護士がホームページ広告を出しているので、いろいろな事務所のホームページを比較して、良さそうな事務所を選ぶと良いでしょう。

交通事故事件解決の実績の高い弁護士や無料相談を行っている弁護士、「後遺障害等級認定に強い」とか「示談する前に弁護士に相談」などと書いている弁護士は、交通事故に力を入れていることが多いです。実際に依頼をするときには、ホームページの記載内容だけではなく、必ず実際に弁護士と会って、その人となりを確認し、信頼できそうな人を選ぶことが重要です。今回の記事を参考にして、交通事故に強い良い弁護士を選び、有利に示談交渉を進めましょう。

交通事故に巻き込まれてしまい、弁護士をお探しの方へ

当てはまるなら、すぐに弁護士に相談!

  • 保険会社の対応に不満がある。
  • 保険会社の慰謝料提示額に納得がいかない。
  • 過失割合に納得がいかない。
  • 後遺障害の認定を相談したい。

「交通事故の示談交渉」記事一覧

弁護士案内

電話相談
完全無料
掲載弁護士数
4
累計利用者数
200,000人~
交通事故に強い
弁護士をご案内します。

都道府県から弁護士を探す

北海道・東北地方
関東地方
甲信越・北陸地方
東海地方
関西地方
中国・四国地方
九州・沖縄地方