交通事故の示談交渉

交通事故の示談交渉は大変。しっかり対応しないと・・・

交通事故の示談交渉が決裂した場合の対応~裁判の流れと費用

この記事のポイント

  • 示談交渉が決裂すると、調停、ADR、訴訟による対応が必要になる。
  • 調停やADRでは、事件を終局的に解決することができない。
  • 訴訟をすると、相手が納得しなくても解決できて、終局的に事件を解決できる。
  • 訴訟を起こすときには、弁護士に依頼する必要性が高い。
  • 訴訟を弁護士に依頼すると、被害者はほとんど裁判所に行かなくていい。
  • 尋問の際には、弁護士としっかり打ち合わせをするので恐れる必要はない。
  • 訴訟の途中で和解することもできる。
  • 弁護士費用特約を利用すると、訴訟の弁護士費用がかからない。

交通事故で示談が解決しない場合がある!

交通事故で被害に遭ったら、相手や相手の保険会社と示談交渉をします。これによって、お互いに合意ができたら、その内容にしたがって示談金を支払ってもらうことができます。示談金は、交通事故による損害賠償金であり、示談交渉は、交通事故の損害賠償請求の方法です。日本では、多くのケースで示談によって賠償問題が解決しており、90%以上は示談交渉の段階でお互いが合意できていると言われています。

しかし、中には示談交渉をしても、お互いが合意できないことがあります。たとえば、過失割合の点で争いが激しく、どうしてもお互いに譲らない場合などには話合いで解決することは不可能となります。その場合には、調停やADR(示談あっせん)、訴訟などの別の手続きを利用しなければなりません。

示談には期限がある

示談交渉をするときには、期限があることにも注意が必要です。交通事故の示談交渉は、損害賠償請求の手続きであり、これは損害賠償請求権の行使です。そして、損害賠償請求権には時効があります。交通事故の態様によっても異なりますが、物損事故や人身傷害事故の場合には交通事故後3年間、後遺障害が残った場合には症状固定後3年間、死亡事故の場合には死亡後3年間が経過すると、損害賠償請求権が時効にかかって消滅してしまいます。そこで、示談交渉をするには、必ずこの3年の時効期間内に行う必要があります。

3年以内に示談ができない場合には、時効を止めないといけません。このことを時効の中断を言いますが、時効を中断するためには、やはり裁判が必要になります。調停やADRでも、一定の要件を満たしたら時効を中断することができます。

示談で解決できない場合の対処方法は3つ

交通事故の賠償問題を示談交渉によって解決できない場合、対処方法は3つあります。それは、調停とADR、訴訟です。以下で、それぞれについて見てみましょう。

調停とは

調停の概要

まず、調停があります。
調停とは、簡易裁判所において、相手と話合いをするための手続きです。裁判所の調停委員が間に入って話を進めてくれるので、当事者同士が話をするよりも解決しやすいです。また、事件ごとに調停官(裁判官)も関与しているので、法律的に妥当な内容の解決を図ることができます。調停委員会から解決のための提案をしてもらえることもあり、両者がそれを受け入れると、問題を解決できます。調停が成立すると、「調停調書」という裁判所の書類が作成されます。調停調書には強制執行力があるので、相手が支払をしない場合には、相手の財産を差し押さえることが可能となります。

ただ、調停は話合いの手続きなので、両者が合意しない限り、問題を解決できません。調停を繰り返しても問題が解決できない場合には、調停は不成立になって終わってしまいます。調停にかかる期間は、だいたい3ヶ月~6ヶ月くらいです。

調停のメリット

それでは、調停にはどのようなメリットがあるのでしょうか、以下で見てみましょう。

相手との力の差を解消できる

調停を利用すると、相手との力の差を解消することができます。交通事故問題では、相手の保険会社は巨大な企業であるのに対し、被害者は一個人に過ぎないという問題があります。一般的に被害者が自分で相手と示談交渉をしていると、非常に不利な条件を突きつけられることが多いという問題もあります。ここで、調停を利用すると、間に裁判所の調停委員会が入ってくれて、法律的な解決方法に従って話を進めてくれるので、被害者と相手との力の差が解消されやすいです。被害者に特別な法的知識がなくても、妥当な解決をはかることができます。

相手と直接話をしなくていい

調停を利用すると、相手と直接話をしなくてよい点も、メリットです。調停では、間に調停委員が入ってくれるので、相手に伝えてほしい話は調停委員に話せば良いですし、相手からの意見は調停委員を通じて伝えられます。そこで、相手の担当者と直接顔を合わせることもなく、直接言葉を交わすこともありません。示談交渉をストレスに感じていた人でも、安心して利用することができます。

費用が安い

調停は、比較的費用が安いです。相手に請求する金額にもよっても金額が変わりますが、印紙代も訴訟の場合の半額ですし、あとは数千円の郵便切手と裁判所の往復の交通費くらいしかかかりません。調停は話合いの手続きで、複雑性や専門性を要求されないため、被害者が1人で(弁護士を使わずに)申し立てることもできます。弁護士を利用しない場合、弁護士費用もかからないので、費用は非常に安く済みます。

強制執行ができる

調停は、話合いの手続きではありますが、正式な裁判所の手続きです。そこで、調停によって作成された調停調書には、強制執行力があります。強制執行力とは、相手の財産に差押えをする力のことです。相手が保険会社の場合には、調停で決まったらほとんど確実に支払いを受けることができるので問題にはなりませんが、相手が本人の場合には、調停で決まっても支払いが行われないことがよくあります。そこで、調停によって強制執行力を得ておくと安心できます。

調停のデメリット

次に、調停のデメリットを見てみましょう。

終局的な解決にならない

調停の第一のデメリットは、終局的な解決にならない可能性があることです。調停は、当事者の話合いの手続きです。調停委員が間に入ってくれるとは言っても、結論を押しつけることはできません。当事者が最終的に納得しなければ、解決することはできないのです。すると、調停は「不成立」となって終わってしまい、問題は解決されないまま持ち越しになります。

手間と時間がかかる

調停は、複雑で専門的な手続きではありませんが、面倒ではあります。申し立てるときには調停申立書を作成しないといけませんし、裁判所に持っていくか郵送で送るかする必要があります。また、月に1回くらい裁判所で調停が開かれるため、その都度裁判所に行かないといけません。1回の調停は2時間~3時間くらいかかりますし、裁判所は平日の昼間の時間にしか開いていないため、会社員などは仕事を休まないといけません。遠方の裁判所の場合には、1日仕事になってしまいます。このように、手間と時間がかかることも、調停のデメリットの1つです。

時間が無駄になるおそれがある

調停では、終局的に問題を解決できるとは限りません。当事者が合意せずに不成立になってしまったら、何の意味も無くなってしまいます。そうなると、調停にかけた時間は完全に無駄になってしまいます。それであれば、はじめから訴訟にしておけばよかった、と後悔することにもなりがちです。

うまく主張できない場合に不利になる

調停は、上手に利用すると被害者に有利な解決も期待できる手続きです。しかし、常に調停をうまく利用できる人ばかりではありません。調停は、難しい書面作成は不要ですが、自分の主張を調停委員にうまく意見や希望を伝えて、相手を説得してもらう必要があります。話すのが下手な人や説明やうまくできない人、説得的な話ができない人は、調停委員に話をわかってもらうことができず、自分の主張を実現することが難しくなります。このように、うまく主張ができない人は、自分一人で調停をすると不利になるおそれがあります。

調停でも弁護士を利用しよう

以上のように、調停は上手に利用すると被害者にとって非常に有利な手続きですが、失敗するとデメリットが大きいです。デメリットを避けるためには、弁護士に調停を依頼する方法がおすすめです。調停を弁護士に依頼すると、面倒な申立書作成や申立手続き、裁判所とのやり取りなどを全て代わりにしてもらえるので、被害者は大変楽になります。また、弁護士が一緒に来てくれて話をしてくれるので、口下手な人でも安心です。自分一人で上手に話をすすめる自信がない場合には、是非とも弁護士に調停を依頼しましょう。

示談あっせん(ADR)とは

示談あっせん手続き(ADR)の概要

次に、示談あっせん手続きについて、見てみましょう。
示談あっせんとは、裁判外の紛争解決方法のことで、ADRとも言います。争いが発生したときには、裁判所を利用することが多いですが、示談あっせんでは、裁判所以外の機関が関与して紛争解決を目指します。交通事故のADRにはいくつかの種類があります。有名なものは、交通事故紛争処理センターのADRと日弁連の交通事故相談センターのADRです。

まずは相手と話合いをする

ADRを利用するときには、まずは相手と話し合いをします。このとき、ADRの担当者が間に入って話を進めてくれます。ADRの担当者は、弁護士なので法律に詳しく、適切に話合いを主導してくれます。話合いによって解決ができたら、調停と同様に和解によって、相手から支払いを受けることができます。

仲裁決定もしてもらえる

話合いによっても合意ができない場合には、問題を解決できませんが、この場合には、仲裁決定をしてもらうことができます。仲裁決定とは、ADR機関に問題の解決方法を決定してもらうことです。これにより、一定の解決方法が示されるので、当事者が受け入れたらその内容で支払いを受けることができます。ただし、被害者が仲裁決定の内容に不服がある場合、それを受け入れずに異議を申し立てることができます。その場合には、仲裁は効力を失い、問題は訴訟に持ち越されることとなります。示談あっせんにかかる期間は、だいたい4ヶ月くらいです。

示談あっせんのメリット

それでは、示談あっせんにはどのようなメリットがあるのか、見てみましょう。

相手との力の差を解消出来る

示談あっせんを利用する場合にも、調停と同様に相手との力の差を解消することが期待できます。示談あっせんで話合いを行うときには、ADRの担当者が間に入ってくれますが、担当者は交通事故問題に詳しい弁護士なので、法的な観点に照らして話を主導してくれるからです。また、担当者が間に入ってくれるため、保険会社の担当者と直接やり取りをしなくて済み、話をしやすいですし、ストレスも感じにくくなります。ADRの話合いは、裁判所の調停の進め方とよく似ています。

妥当な内容の解決ができる

ADRでも、調停と同様、妥当な内容の解決を図ることができます。ADRの担当者は交通事故問題に精通した弁護士なので、裁判所の法的な考え方や経験に照らして、法律的に妥当と考えられる内容の解決案を提案してくれます。その内容は、「裁判をしたときに予想される判決」と同じものとなっています。そこで、当事者は、その後あえて裁判をするより、早めに示談をしておいた方が良い、と考えて、提案を受け入れやすく、話合いが成立しやすいです。

仲裁決定を受けることもできる

裁判所の調停では、当事者の話合いで解決できない場合、単純に不成立になって手続きが終わってしまいますが、ADRの場合には、仲裁決定を受けることができます。仲裁決定とは、ADRの審査会に入ってもらい、交通事故の問題解決方法を決定してもらうことです。訴訟における判決と似ています。仲裁決定を受けると、相手が保険会社の場合、保険会社は異議を出すことができません。被害者が受諾すると、その内容で問題が解決されます。

費用が安い

ADRは、費用が非常に安いです。交通事故紛争処理センターのADRでは、利用料金は完全に無料です。往復の交通費や郵便切手代くらいしかかからないので、弁護士を雇わずにADRを利用すると、5000円もかけずに問題を解決できることも多いです。費用的な観点から見ると、調停と訴訟、ADRの中で、ADRは最も費用を安く済ませることができる方法と言えるでしょう。

仲裁決定を受けたら強制執行できる

ADRを利用する場合、和解で解決するケースと仲裁決定により解決するケースがあります。この中で、仲裁決定を受けると、強制執行力が認められます。強制執行力が認められたら、その後相手が決まった内容に従わないときに、相手の財産を差し押さえることができるので安心です。

示談あっせんのデメリット

次に、示談あっせんのデメリットを見てみましょう。

終局的な解決にならない

まずは、終局的に解決できない可能性があることです。ADRを利用するときには、まずは話し合いから始まりますが、話合いの手続きでは、裁判所の民事調停と同様、お互いが完全に合意しない限り問題を解決することはできません。話合いができずにそのまま手続きが終わってしまうこともあります。また、仲裁決定に移行したとしても、必ずしも終局的な決定にはなりません。相手が保険会社の場合、保険会社は仲裁決定に従いますが、相手が本人の場合や被害者側は、仲裁決定に従う必要はなく、異議を申し立てることができます。そうなると、問題は解決されずにそのままになってしまい、訴訟などで解決するしかなくなります。このことは、ADRの大きなデメリットと言えます。

時間が無駄になるおそれがある

ADRでは、問題を終局的に解決できない可能性があります。そうなると、それまでにかけた労力や時間が無駄になってしまいます。たとえば、話合いの手続きを行い、仲裁決定を受けたけれどもやっぱり気に入らないから訴訟をする、という場合など、仲裁決定を受けるまでの4ヶ月以上の期間が無駄になってしまうこともあります。被害者は、通常交通事故問題を早く解決したいと考えていることが多いので、このように時間が無駄になることは大きなデメリットです。

手間と時間がかかる

ADRを利用するときにも、被害者にはそれなりに手間と時間がかかります。まずはセンターに相談に行かないといけませんし、和解あっせんが始まったら何度もセンターに行かないといけません。担当者から指示を受けたら、資料を準備しなければならないこともあります。毎日忙しく働いている人や、事故によって身体が不自由になってしまった人には、大きな負担になります。

調停では強制執行ができない

ADRを利用するとき、話合いによる和解で解決する場合には注意点があります。この場合、和解で決まった内容には、強制執行力が認められないためです。ADRの和解は、あくまで民間における任意の当事者の話合いの手続きだからです。ADRの話合いで解決した場合、その後相手が決まった内容の支払いをしないと、裁判が必要になってしまいます。

うまく主張できないと不利になる

ADRでも、裁判所の調停と同様、被害者が自分の主張を上手にできないと不利になります。ADRの担当者は弁護士ですが、この弁護士は中立的な立場から、双方の話を聞いています。そこで、上手に説得的に話ができる人の方に、耳を傾けることになりがちです。正しい主張をしていても、うまく説明ができず、資料を揃えることもできなければ、自分の望むような解決を実現することはできません。

調停・示談あっせんの注意点

以上のように、交通事故で相手と示談交渉ができない場合、調停やADRを利用することができます。これらは弁護士を使わず、被害者がひとりでも利用しやすいためメリットがありますが、重要な注意点があります。

それは、裁判所の調停委員会やADRの担当者は被害者の味方ではない、ということです。
これらの機関は、完全に「中立的な立場」です。ADRの担当者が「弁護士」とは言っても、それは「センターの担当者」としての弁護士であり、「被害者の味方」としての弁護士ではありません。そこで、被害者が調停やADRを利用するとき、足りていない主張や資料があるとしても、調停委員会や担当弁護士が助け船を出してくれたりサポートしてくれたりすることは、基本的にありません。被害者の主張が不十分であっても、被害者自身が気づいてどんどん補強していかないと、完全に無視されて手続きがすすめられます。被害者は、自分で努力して有利になるようにしなければ、よい解決を実現することはできないのです。

調停やADRを利用するときには、裁判所やセンターが「被害者の味方」をしてくれると期待していると、大きく裏切られる結果となります。

被害者になってくれるのは、弁護士のみ!

裁判所の調停委員会やADRの担当弁護士は、被害者の味方ではありません。そこで、誰が被害者の味方になってくれるのかというと、弁護士です。この場合の弁護士は、「被害者が依頼した弁護士」です。

被害者が依頼した弁護士は、調停やADRの席に、被害者の代理人として出席して発言することができます。もちろん、事前に被害者と打ち合わせをして、どのように話を進めるべきかを決めますし、調停の席においても、弁護士が被害者の希望や気持ちを代弁して話を進めてくれるので、安心です。被害者が話し下手でも、弁護士が必要なことはすべて主張してくれますし、資料も揃えてくれるので、有利に解決することができます。

以上より、調停やADRの場合でも、やはり弁護士に依頼する必要性が高いです。多少は費用がかかっても、自分で手続きをして不利になったり無駄になったりするくらいなら、弁護士に依頼してよい解決をした方が得になります。

訴訟とは

裁判

訴訟の概要

示談交渉でお互いが合意出来ない場合に利用する解決方法の3つ目が、訴訟です。訴訟とは、いわゆる裁判のことで、交通事故の訴訟は「損害賠償請求訴訟」と言います。損害賠償請求訴訟を起こすときには、相手の住所地を管轄する地方裁判所か簡易裁判所を利用します。請求額が140万円以下の場合には簡易裁判所ですが、140万円を超える場合には地方裁判所となります。

訴訟では裁判官が解決方法を決定する

訴訟は、調停やADRなどの手続きとは異なり、話合いの手続きではありません。事件ごとに担当の裁判官が決められて、その裁判官が、当事者双方の主張内容と立証方法を評価して、法的な観点から妥当と考えられる内容で、解決方法を決めてしまいます。その決定のことを「判決」と言います。判決で有利な内容を勝ち取ることを、一般的に「勝訴」などと言っています。

交通事故事件では、より多額の賠償金支払い命令を出してもらうことが、「勝訴」につながると言えるでしょう。そのためには、当事者は、自分の主張と立証を展開しなければなりません。訴訟では、適切に法的な主張と立証ができないと、裁判官は評価をしてくれないので、有利な判決は出ません。たとえば、過失割合で争いがあるとき、被害者側が自分の主張を根拠づける資料を提出することができなければ、相手の言うとおりの過失割合が認定されてしまうこともあります。

訴訟を有利に進めるためには弁護士に依頼すべき

訴訟を有利に進めるには、裁判のプロである弁護士に依頼する必要性が非常に高いです。そして、訴訟をすすめて判決が下されたら、その内容に従って相手から支払いを受けることができます。訴訟にかかる期間は、だいたい8ヶ月~1年くらいですが、長びくケースでは2年以上になることもあります。

訴訟は、最終的な解決手段

交通事故の損害賠償問題を解決する方法には、示談交渉、調停、ADR、訴訟がありますが、この中でも訴訟の特徴は、これが紛争の最終的な解決方法となっていることです。他の3つの手続きでは、当事者が納得しないと問題が解決されません。これに対し、判決によって裁判所が決定した内容は、覆すことができません。地方裁判所(一審)で出た判決に対しては高等裁判所に控訴できますし、高等裁判所で出た判決に対しては最高裁判所に上告できますが、こうして裁判所で決定された内容について、裁判所以外の機関に訴え出ていくことはできないのです。

当事者間にどれほど激しい争いがあっても、裁判をすると、確実に終局的解決ができます。

調停、ADR、訴訟の順番は?

交通事故の示談交渉が決裂したときの解決方法には、調停とADRと訴訟の3つがありますが、この中でどれを先に利用すべきか、という順番があるのかという質問も多いです。まず、訴訟が最終であることは間違いありません。訴訟をした後に調停やADRを利用することはあり得ません。

いきなり訴訟を起こしてもOK

問題になるのは、訴訟の前に調停やADRを利用すべきかどうかということです。これらについては、特に決まりはありません。示談交渉決裂後、調停をして、不成立になってから訴訟をする人もいますし、ADRをして、不成立になったり仲裁決定に納得できないから異議申し立てをしたりして、訴訟をする人もいます。示談交渉後、調停やADRをせずに訴訟をする人もたくさんいます。結局、調停やADRは基本的に話合いの手続きであり、当事者双方が納得しないと解決ができないので、総穂の対立が激しい場合には調停やADRを利用しても解決することが難しいからです。無駄な時間と労力をかけるより、いきなり裁判をしてしまった方がメリットが大きいです。

訴訟を利用すべき場合とは?

次に、訴訟を利用すべき場合はどのようなケースなのか、ご説明します。

示談交渉が決裂した

まずは、示談交渉が決裂した場合です。この場合、調停やADRを選択することもできますが、一般的に訴訟を利用することも多いので、まずは訴訟すべきかどうか、検討することをおすすめします。

相手との対立が激しいケース

相手との示談交渉が決裂したとき、訴訟をすべきかどうかの判断基準としては、相手との対立がどのくらい激しいかということが問題です。対立が激しく埋めることが難しそうであれば、調停やADRを利用しても解決できる可能性は低いので、いきなり訴訟をすべきです。対立点が多いかどうかも重要です。たとえば損害の種類、評価方法、後遺障害の等級や慰謝料の金額、過失割合など、多くの点で対立しているなら、調停やADRで解決することは難しくなります。そこで、相手との対立点が多かったり対立が激しかったりする場合には、早めに弁護士に依頼して訴訟を行うべきです。

自分の負担を軽減したい、楽をしたい被害者

訴訟は、自分が楽をしたい被害者にとっても意外とおすすめです。訴訟というと、非常に大きな負担になるイメージがありますが、弁護士に手続を依頼してしまうと、調停やADRよりむしろ楽になることがあります。

調停やADRの場合には、基本的に誰も助けてくれないので、自分ですべての手続きをしなければなりませんし、知識もつける必要があります。不利な内容の発言をしないように注意しないといけませんし、うまく説明する必要もあります。月1回程度仕事を休んで平日の昼間に裁判所などに行かないといけません。これに対し、訴訟をする場合には、必要な書類作成や手続きはすべて弁護士がしてくれるので、被害者はほとんど何もしなくてかまいません。当事者尋問の日以外は裁判所に行く必要すらなく、弁護士から報告を聞いて、ときどき今後の進め方についての打ち合わせをすれば良いだけです。終局的に解決することができるので、かけた労力が無駄になることもありません。

そこで、楽をして解決をしたいなら、弁護士に依頼して訴訟を進めてもらう方法がおすすめです。

早く解決したいケース

弁護士に依頼して訴訟をすると、早期の解決につながるケースがあります。示談交渉が決裂したとき、調停やADRを利用しても、終局的に解決できるとは限りません。不成立になったら、手続きにかけた3ヶ月や4ヶ月の期間が完全に無駄になります。調停やADRの記録が訴訟に受け継がれることもなく、訴訟になると完全に仕切り直しになります。そこで、調停やADRにかけた期間の分だけ解決が遅くなってしまうのです。

むしろ初めから訴訟をしていた方が、期間の短縮につながります。途中で和解ができたら、半年もかけずに問題が解決できることもあります。

弁護士費用特約を利用できるとき

弁護士費用特約を利用できるケースでも、訴訟がおすすめです。弁護士費用特約とは、自分の自動車保険につけておく特約の1種です。交通事故関連の弁護士相談費用や弁護士の着手金、報酬金などを自動車保険から出してもらうことができます。限度額は300万円となっているので、被害者は300万円までなら負担なしに弁護士に対応を依頼することができるのです。

訴訟になると、弁護士費用がかかることがネックだと考えている人が多いですが、弁護士費用特約を利用すると、無料で弁護士に訴訟対応をしてもらえるのでメリットが大きいです。特約がついているのに利用しないのは非常にもったいないので、特約を利用できる状況なら、弁護士に相談をして訴訟を起こしてもらうと良いでしょう。

少額訴訟とは?

少額訴訟の概要

示談交渉が決裂したときには訴訟を起こして解決することができますが、このとき、少額訴訟をいう手続きを利用できるケースがあります。少額訴訟とは、請求額が60万円以下の場合に利用できる特殊な訴訟手続きです。通常の訴訟よりも、手続きが非常に簡略化されていて、被害者が自分一人で利用することも可能な方法です。訴えを起こす裁判所は簡易裁判所で、期日が開かれるのは1回だけです。その日のうちに判決まで出てしまいます。

ただ、少額訴訟でも、裁判官は当事者の主張内容と立証方法によって判決をします。そこで、少額訴訟を起こす場合にも、法律的な主張を整えて、証拠を揃える必要があります。主張や立証が足りなければ負けてしまうという点は、通常訴訟と同じです。

少額訴訟では、和解が行われることも非常に多いです。和解になると、訴訟の途中で原告と被告が話し合いをして、問題を解決することができます。相手と直接話をしているときには話合いが難しかったケースでも、裁判所が間に入って和解を進めてくれることにより、話合いができることが非常に多いです。小さな物損事故や軽傷のケースで、相手に請求する金額が小さいときや、相手が無保険のケースなどでは、利用価値が高い手続きです。

少額訴訟と弁護士

少額訴訟は弁護士に依頼しないことが多いですが、依頼することも可能です。

また少額訴訟を起こすときにおすすめの弁護士の利用方法は、「相談」です。弁護士は、事件の依頼のみならず、法律相談サービスも行っています。そこで、法律相談を利用して、少額訴訟の準備の方法や申立の方法、当日までに用意する書面や資料、当日の心構えなどを相談して聞いておくと非常に安心です。今は、多くの弁護士が無料相談を行っているので、是非とも利用すると良いでしょう。弁護士に書面作成のみ依頼することなども可能なので、手続きには一人で対応したいけれども、書面だけ作ってもらいたい場合などにも弁護士に相談してみることをおすすめします。

訴訟を自分で起こせるのか?

訴訟は弁護士に依頼すべき

話を通常訴訟に戻します。通常訴訟では、弁護士に依頼することが当然のようになっていますが、そもそも訴訟を自分で起こすことができるのか、という質問がとても多いです。

理屈としては、「可能」です。ただ、実際には「難しい」です。

まず、裁判所を利用するのは本人の問題を解決するためですから、本人が自分で申立をすることができるのは当然です。調停を自分一人で申し立てることができるのと同じことです。それでは、どうして訴訟の場合に弁護士に依頼することが必須なのかが問題なので、以下でその理由をご説明します。

訴訟の内容面の難しさ

訴訟では、非常に複雑で専門的な対応が必要になります。まず、内容面が難しいです。訴訟で勝つためには、自分にとって有利になるような主張をしなければなりません。ただ、感情論などではなく、「法的な根拠をもった主張」が必要です。どんなに気の毒な被害者でも、法的に妥当な内容でないと裁判所には完全に無視されてしまいます。法律の正確な知識を持っていないと、何を言っても通らないのです。そこで、法律の勉強をしていない素人にはかなりハードルが高くなります。

また、立証方法も難しいです。主張を裏付けるためにどのような証拠が有用かなどの判断も一般の人にはわかりにくいことが多いからです。自分では有利になるつもりで出した証拠が、思わぬ形で不利益に評価されてしまうことなどもあります。ここで、弁護士なら、きっちり法律の勉強をしているため、法律知識に従って適切な主張をすることができるので、裁判官に聞いてもらいやすいです。また、ケースごとにどのような証拠が有用か、わかるので、無駄なく適切な証拠を集めて、裁判所に評価してもらうことができます。このように、弁護士に依頼すると、主張と立証が適切に行えるので、手続きを有利に進めやすいのです。

手続きの進め方も難しい

次に、裁判は、手続きの進め方も特殊です。言葉遣いも一般とは異なることがありますし、ほとんど説明がないので、素人が自分一人で出頭しても、裁判官から何を言われたのかが理解できないことがあります。裁判官から「次回までに〇〇を用意して下さい」と言われても、実際に〇〇というものが何なのかがイメージできないこともあります。

さらに、書面を提出するときには、完全に同じコピーを2部提出して、番号を振らないといけませんし、自分の分もとっておいてファイリングしていく必要があります。相手からも大量の書類が提出されるため、その都度きちんと整理しておかないと、わけがわからなくなります。このように、手続き的な面においても、被害者がひとりで対応するのは非常に難しいのです。

そこで、訴訟は弁護士に依頼すべきです。弁護士に依頼しないで本人訴訟をしていると、ほとんど意味がわからないうちに請求棄却などになって負けてしまいます。特に相手が弁護士を立てているのにこちらに弁護士をつけていないと、圧倒的に不利になります。訴訟を起こすなら、必ず交通事故問題に強い弁護士に対応を依頼しましょう。

訴訟の申立方法

提訴の基本的な手続き

次に、訴訟の申立方法について、解説します。訴訟を申し立てるときには、まずは管轄の裁判所を調べます。損害賠償請求訴訟の場合、交通事故が起こった場所や相手の住所地、自分の住所地を管轄する裁判所に管轄が認められます。自分の住所地の裁判所を利用すると、近くて便利です。利用する裁判所の種類は、140万円を超える金額の請求をするなら地方裁判所を利用します。140万円以下なら簡易裁判所となります。

訴訟を申し立てるときには、「訴状」を作成する必要があります。訴状には、請求の趣旨と請求の原因を書かなければなりません。請求の趣旨とは、相手に求める内容の結論部分です。たとえば、「金〇〇円を支払え」などが請求の趣旨となります。請求の原因とは、請求をする理由です。ただ、感情的な理由ではなく、法的に整理された理由である必要があります。たとえば、「〇月〇日交通事故が起こり、〇〇円の治療費がかかって…」などのことを書きます。さらに、訴状の記載内容を証明するための証拠を添付しなければなりません。

これらの用意ができたら、裁判所に持参するか郵送するかによって申立をします。申立の際には、印紙代と郵便切手をつける必要があります。

提訴(申立)にかかる費用

訴訟にかかる印紙代と郵便切手がどのくらいかかるのか、見てみましょう。印紙代は、裁判所に支払う手数料です。これは、相手に請求する金額によって大きく異なります。請求金額が安ければ印紙代は安いですし、請求金額が高額になると、印紙代は上がります。たとえば300万円を請求する場合なら印紙代は2万円、500万円を請求する場合なら印紙代は3万円となります。1000万円を請求する場合なら印紙代は5万円です。郵便切手代は、被告1名についてだいたい5000~6500円程度です。具体的な金額と内訳は裁判所によって異なるので、申立前に確認しましょう。

訴訟の流れ

訴状の審査と第一回口頭弁論期日の決定

次に、提訴をした後の訴訟の流れをご説明します。訴状を提出して事件が受け付けられたら、訴状の内容が審査されます。何か問題があれば、裁判所から連絡があり、補正を促されるので補正をします。問題がなければそのまま手続きがすすみます。

まずは第一回の期日が決まります。その連絡は弁護士を通じて原告(被害者)に伝えられます。そして、被告に対しては、訴状の副本(写し)と口頭弁論の呼出状が届けられます。このとき、「答弁書催告状」という書類も送られます。被告は、第一回期日までの答弁書を提出しなければなりません。答弁書を提出せず、期日にも出頭しない場合には、被告は原告の主張を全て認めたことになるので、訴訟に負けてしまいます。

争点整理の手続き

口頭弁論期日では、お互いが提出した書面や証拠の内容を確認して、次回までに行う準備事項を決定します。通常は、相手への反論を行うことになります。そして、次回までに弁護士と打ち合わせをして、提出すべき書面を作成し、証拠を用意します。このように、何度も期日を重ねることによって、お互いの主張と立証の内容を整理していきます。裁判の期日は、だいたい月に1回くらい行われます。

当事者及び証人の尋問

手続きがすすんで、争点が整理されたら、当事者や証人の尋問が行われます。これは、一般的にも「証人尋問」としてなじみのあるものです。テレビドラマなどでよく行われている裁判のシーンに似ています。交通事故の尋問は、被害者と加害者、目撃者が対象になりますが、目撃者がいなければ被害者と加害者のみですし、被害者のみのケースも多いです。

尋問を受けるときには、まずは自分の弁護士から質問を受け、次に相手の弁護士から質問を受け、最終的に相手の弁護士から質問を受けることになります。尋問は、あくまで「事実を確認する手続き」です。そこで、弁護士などから一問一答式で、質問が行われるので、簡潔に答える必要があります。自分の言いたいことをどんどん主張していくことはできないので、注意が必要です。

判決言い渡しと内容の確定

尋問が終わったら、必要な審理が終わるため、結審して判決言い渡しを待つことになります。結審してから1ヶ月くらいして判決が出ることが多いです。判決が出たとき、期日に出頭してもかまいませんが、特に必要ありません。弁護士も判決を聞きに行かないことが多いです。その場合、判決書は裁判所から弁護士事務所に郵送されてきて、弁護士が依頼者に連絡をしてくれるので、依頼者と弁護士は控訴をするかどうか検討します。当事者がお互いに控訴をしなければ判決が確定して、その内容に従って支払いを受けることができます。

和解とは?

訴訟になると、基本的に判決を出してもらうことによって問題を解決することになりますが、途中で和解することも可能です。和解とは、裁判の途中で当事者が話し合いをして、訴訟を終わらせることです。和解はいつのタイミングでも行うことができます。提訴後すぐに和解をしたら、3ヶ月で訴訟が終わることもあります。証人尋問前に一度和解の話合いを試みることも多いですし、尋問後、最後のチャンスとして話合いをしてみることもあります。

和解は、裁判官が間に入ってすすめられるので、相手と直接話をする必要はありません。交通事故訴訟では和解で解決することも多いですし、和解になると早期に解決ができるメリットがあるので、チャンスがあったら一度話合いをしてみると良いでしょう。

訴訟にかかる期間

訴訟の基本的な期間

訴訟を利用する場合には、基本的には8ヶ月~1年くらいかかります。ただ、事案によっては2年や3年以上かかることもあります。

訴訟が長くかかるパターン

期間が長くかかるパターンとしては、まず、争点が多いケースがあります。争点整理に時間がかかるからです。また、提訴後に後遺障害の等級認定請求をする場合には、結果が出るまで訴訟を進められず、訴訟が長びくことがあります。和解がこじれた場合にも、期間が長引くことがあります。和解の話合いには1ヶ月やそれ以上かかることもありますが、話し合っても解決しなかった場合にはその期間は無駄になってしまいます。

訴訟にかかる費用

お金と計算機

訴訟をするときには、申立の際の印紙代と郵便切手以外にも費用がかかります。主なものは謄写費用です。証人尋問が行われると、その記録のコピーをとる必要がありますが、そのためのコピー代が非常に高額です。裁判所にもよりますが、1枚20円~50円くらいになるので、証人が複数いると、数万円になってしまうこともあります。あとは、証人の日当が必要になるケースがあります。目撃者を証人として呼んだ場合などには、1日8000円程度の日当と旅費が必要になります。ただし、証人がこれらを放棄した場合には、費用は不要です。

訴訟を起こす場合には、弁護士費用以外にも数万円の費用がかかる可能性が高い、ということです。

訴訟のメリット

次に、交通事故の賠償問題を、訴訟で解決するメリットを見てみましょう。

紛争を終局的に解決できる

まず一番のメリットは、問題を終局的に解決できることです。調停やADRでは当事者が納得しないと問題解決ができませんが、訴訟の場合、当事者に不満があっても、判決で決まったことは強制的に適用されてしまいます。裁判で決まったことに不服があっても、別の機関に再審査してもらうことはできません。

相手と争いがあっても解決できる

次に、相手と争いがあっても、解決ができることがあげられます。調停やADRなどの場合、相手との対立が激しすぎると、いくら調整しても解決ができません。たとえば、一方が赤信号を主張していて、一方が青信号を主張しているようなケースです。この場合、間をとることはできません。

これに対し、訴訟の場合には、当事者の主張内容がまっこうから対立していても、判決で決めることができます。判決で赤と決まったら、赤になるので、これまで「青」と主張していた方も、受け入れざるを得なくなり、解決につながります。

強制執行ができる

裁判所で決まった判決内容には、当然強制執行力があります。そこで、相手が判決に従わない場合、判決書を使って相手の財産から取り立てをすることができます。また、和解で解決した場合にも同じように強制執行力があります。このように、裁判を使って何らかの解決をした場合には、万一相手が支払をしなかった場合に非常に安心です。

訴訟のデメリット

それでは、訴訟にデメリットはあるのでしょうか?以下で、見てみましょう。

費用が高い

訴訟のデメリットの1つは、費用が比較的高額になることです。まず、裁判自身にかかる費用があります。申立の際の印紙代と郵便切手、謄写費用などのことです。請求金額が大きいと数万円の印紙代がかかることもあり、謄写費用も高額になるケースがあります。これらの費用は、弁護士に依頼せず、自分で裁判をした場合にもかかるもので、「実費」と呼ばれます。また、訴訟をするときには、事実上弁護士に依頼することが必須となります。そうなると、当然弁護士費用がかかります。

期間がかかることがある

訴訟には、非常に長い期間がかかります。調停やADRなら3~4ヶ月で済みますが、訴訟なら8ヶ月~1年以上かかることが普通だからです。ただし、調停やADRで解決できるとは限りませんし、解決ができなければ調停やADRにかけた時間が無駄になるので、どちらが早く解決できるかは、ケースバイケースで異なります。

手続きが複雑で専門的

訴訟は、非常に複雑で専門的な手続きです。そこで弁護士に依頼しないとほとんど対応は不可能です。調停やADRは比較的簡単なので自分で取り組むことも可能ですが、訴訟はそういうわけにはいきません。

ただ、弁護士に訴訟を任せてしまったら、被害者自身がすべきことはあまりないので、被害者にかかる負担は、必ずしも訴訟の方が重いとは言えません。訴訟をすると、大変な負担がかかるイメージがありますが、実はやってみるとそうでもないということがあります。良い弁護士に依頼すると、被害者の負担は特に軽くなります。

相手が支払わない場合の対処方法

相手が本人の場合には、判決が出ても支払をしないおそれがあります。この場合、判決書や和解調書に従った強制執行の手続きを検討すべきです。強制執行をするときには、相手の資産内容を調べて、それを差し押さえるための強制執行の申立をしなければなりません。強制執行については、自分で手続きをすることもできますが、取り寄せが必要な書類もあり、申立方法も特殊なので、素人には難しい部分もあります。そこで、訴訟を依頼した弁護士に引き続き依頼することをおすすめします。

裁判には行かなくていいの?

訴訟をするとき、被害者自身が裁判所に行かなければならないのか、不安に感じる人が多いです。

実は、弁護士に訴訟を依頼すると、依頼者はほとんど裁判所に行く必要はありません。一回口頭弁論期日にも行く必要がありませんし、その後に続く月1回程度の期日も裁判所に行かなくてよく、依頼者は弁護士が期日についての報告を待っているだけで済みます。そして、時折弁護士事務所に行って、次回までの準備についての打ち合わせをします。休日や夜間に対応している弁護士事務所に依頼したら、会社を休まずに裁判を続けていくことができます。また、弁護士との打ち合わせも、多くの部分はメールや電話などで対応できるので、事務所に行くのは本当に必要な数回のみです。

当事者がどうしても裁判所に行かないといけないのは、尋問の期日です。これについては、当事者に質問するのですから、行かないというわけにはいきません。また、和解の手続きをするときにも、本人の意思を確認しながら手続きを進める方がスムーズなので、裁判所に来るように言われることがあります。

このように、訴訟をしたとしても、多くのケースでほとんど裁判所に行く必要はないので、安心しましょう。

尋問が不安

裁判をすると、尋問が不安だという人が非常に多いです。相手の弁護士や裁判官から質問をされるので、きちんと対応できるのか、どのように答えたらいいのかがわかりませんし、尋問が近づくと緊張して眠れなくなってしまう人などもいます。

しかし、尋問は、それほどこわい手続きではありません。単に事実を確認していくだけなので、質問者と言い合いをすることはありません。相手が議論をふっかけてきたら、不適切な尋問としてとめてもらうこともできます。また、事前に自分の弁護士としっかり打ち合わせをするので、準備さえしていたら、そのとおりに答えたら大丈夫です。裁判をするとき、尋問をおそれて躊躇する必要はありません。

弁護士費用はどのくらい?

基本的な弁護士費用

以上のように、訴訟を行うときには、弁護士の役割が非常に大きいです。有利に進めるためには、交通事故問題に強い弁護士を探して依頼することが必須ですが、そうなると、弁護士費用がいくらかかるのかが問題です。

弁護士の費用には、法律相談料と着手金、報酬金があります。

法律相談料

法律相談料については、30分5000円+税が標準的ですが、今は多くの弁護士事務所が無料相談を実施しているので、これを利用すると無料で弁護士に相談できます。

訴訟を依頼する場合には、相手への請求金額に応じて費用が変わってくることが多いですが、多くの事務所では、以下のような報酬の計算方法をしています。

着手金

請求金額が125万円以下の場合には10万円
請求金額が125万円を超えて300万円以下の場合 請求金額の8%
請求金額が300万円を超えて3000万円以下の場合 請求金額の5%+9万円
請求金額が3000万円を超えて3億円以下の場合 請求金額の3%+69万円

報酬金

回収金額が300万円以下の場合 回収できた金額の16%
回収金額が300万円を超えて3000万円以下の場合 回収金額の10%+18万円
回収金額が3000万円を超えて3億円以下の場合 回収金額の6%+138万円

着手金はフレキシブルに対応してもらえることがある

着手金については、10万円~20万円などの定額にしている事務所もありますし、無料にしている事務所もありますまた、着手金を後払いできる事務所もあります。後払いをする場合には、相手からお金が支払われたときに、着手金と報酬金をまとめて支払います。分割払いができる事務所もあります。示談交渉から引き続いて依頼を受ける場合には、訴訟の着手金の金額を減額してもらえる事務所もあります。着手金の支払い方法については、個別に弁護士に相談すると、支払いやすい方法を選択することができるケースもあります。

弁護士費用特約を利用すると、負担がなくなる(軽くなる)

また、弁護士費用特約を利用すると、法律相談料、着手金、報酬金、実費、日当などすべての弁護士関係の費用を保険会社に負担してもらえるので、非常に大きなメリットがあります。事務所によっては、弁護士費用特約を利用する場合と利用しない場合で、弁護士費用の計算方法を分けていることもあります。

弁護士に依頼して、有利に訴訟を進めよう!

弁護士

以上のように、示談が決裂したときには、訴訟が必要になるケースが多いです。このとき、被害者が自分一人で対応するのは困難なので、弁護士に依頼する必要性が非常に高いです。弁護士に依頼すると、被害者自身はほとんど何もしなくても、裁判を有利に進めてもらうことができて、非常にメリットが大きいです。訴訟を成功させるには、交通事故問題に強い弁護士に依頼することが重要です。

今回の記事を参考にして、交通事故に力を入れている良い弁護士を探し、相手から高額な賠償金を支払ってもらえるようにしましょう。

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