交通事故の後遺障害

交通事故に巻き込まれて、後遺症が残ってしまいそうな場合

「むちうち症」は後遺障害に認定される?知っておきたい3つのポイント

この記事のポイント

  1. むちうち症は画像検査で異常を確認できるケースが少ないので、後遺障害に認定されづらい
  2. むちうち症の原因を医学的検査で証明できなくても、後遺障害14級に認定される場合がある
  3. 14級に認定されるためには「定期的かつ継続的な通院」「一貫した自覚症状の記録」「正確な後遺障害診断書」が必要

なぜ「むちうち症」は後遺障害に認定されづらいのか

「むちうち症」は俗称。医学的には複数の傷病にわかれる

交通事故によるケガのなかで多いのが「むちうち症」です。頭部が“むち”の動きのように前後に屈伸し、首周辺の筋肉やじん帯が損傷したために起こる首や肩の痛み、手足のしびれ、頭痛、耳鳴り、めまいなどの症状をさします。

ただし、「むちうち症」は俗称。医学的には「頸椎捻挫」「頸部挫傷」「外傷性頸部症候群」といった傷病名になります。これらの症状は後遺障害に認定されにくいため、あらかじめ注意しておくべき点が多数あります。まずは後遺障害の概要を確認しておきましょう。

後遺障害の等級にしたがって、後遺障害慰謝料などが決まる

「後遺障害」とは事故による「後遺症」のなかで、専門機関が定める条件を満たすもの。交通事故の損害賠償における特別な概念です。そして認定された14段階の等級にしたがって、後遺障害慰謝料(後遺障害を負った精神的苦痛に対して支払われる賠償金)や逸失利益(後遺障害がなければ得られるはずだった収入・利益)などが相手方の保険会社から支払われます。

後遺障害に認定されるための5つの条件

後遺障害の有無や等級を審査するのは、損害保険料率算出機構の「自賠責損害調査事務所」という専門機関です。ここで後遺障害に認定されるためには、原則として以下5点の条件を満たす必要があります。

(1)事故の状況と被害者が医師に申告する症状の程度が一致している

これは詐病を防ぐための基本的な条件です。後遺障害の認定を受けようとして、自覚症状を大げさに伝えてはいけません。客観的な事故状況との整合性を必ずチェックされます。

(2) 事故発生当初から医療機関へ定期的に通院している

切り傷や骨折などのケガは事故直後に症状が現れます。一方、むちうち症は事故後しばらくしてから、少しずつ痛みやしびれなどを感じるケースも。交通事故との因果関係や症状の存在自体を疑われないために、定期的に病院へ通ってください。

(3) 事故当初から被害者が訴える症状が続いており、一貫性がある

痛みを感じない日があったり、痛みを感じる部分が変わっていたりすると後遺障害に認定されづらくなります。自覚症状があったら、遠慮せずに医師に伝えましょう。整骨院や接骨院を利用する際も、並行して整形外科に通院してください。

(4) 症状が重いと認められ、日常生活において症状が継続している

後遺障害のポイントは「症状の重さ」と「継続性」です。日常生活に支障のない軽い症状の場合、後遺障害には認定されません。また、症状が継続していなければ、「近い将来に症状が治るかもしれない(後遺障害にはあたらない)」と判断されやすくなります。

(5)症状と矛盾のない画像診断や検査結果がある

むちうち症の場合、この条件を満たすのは容易ではありません。レントゲンやMRIなどの画像検査によって異常を確認できるケースは少ないため、医学上の客観的な証拠(他覚的所見)を示せないのです。その際はカルテや診断書に記された自覚症状と通院実績が特に重要なポイントとなります。

むちうち症で認定される後遺障害は12級または14級

12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

後遺障害の等級はもっとも重いものが1級、そこから軽くなるごとに級数が増え、もっとも軽い等級が14級です。そのなかで「むちうち症」に対する後遺障害の等級は上記の2種類。それぞれの定義と認定されるためのポイントを説明します。

画像検査で異常が見つかれば、12級の可能性大

後遺障害12級が認定されるためのポイントは、痛みやしびれなどの症状の原因を“医学的に証明”すること。レントゲンやMRIなどの画像検査で異常が見つかれば、後遺障害12級に認定される可能性が高いでしょう。

また「スパークリングテスト」や「ジャクソンテスト」といった神経学的な検査の結果次第では、12級に認定される可能性があります。

14級が認められるためには、定期的かつ継続的な通院が必要

痛みやしびれなどの症状の原因を医学的検査で客観的に証明できなくても、後遺障害14級に認定されるケースがあります。その際に必要なのは前述した(1)~(4)の条件を満たすことです。

14級はもっとも軽い等級のため、後遺障害に認められるかどうかは紙一重です。定期的かつ継続的に通院し、一貫した自覚症状をカルテや診断書などの記録に残してもらいましょう。

14級or非該当? 等級認定を左右する「後遺障害診断書」

医学的検査で異常が見つからない場合、もっとも重要な資料となるのが「後遺障害診断書」です。これは通常の診断書とは異なり、症状固定(治療を続けても大幅な改善が見こめない状態)の後に主治医が作成するもの。治療開始日、症状固定日、入院期間、実通院日数、自覚症状、他覚的所見など、等級認定に必要な情報がまとめて記入されます。

実際の自覚症状と診断書の記載内容にズレはないか

後遺障害診断書の内容は患者本人が確認できます。そこでチェックすべきなのは「自覚症状」と「障害内容の増悪・緩解の見通し」の記入欄。自覚症状については文章表現に実態とズレがないかをチェックしてください。

たとえば「雨の日に痛くなる」といった文章が記されていると、「症状が一貫していない」と判断されやすくなります。晴れた日も痛みを感じているのなら、「雨の日はより痛みが強くなる」といった表現に修正してもらいましょう。

今後の見通しに希望的観測は禁物

「障害内容の増悪・緩解の見通し」については希望的観測が書かれていたり、空欄のままだったりすることがあります。しかし、症状固定の後に診断したはずなので、「緩解の見通しはない」といった趣旨の内容を記載してもらいましょう。

加害者側の保険会社から治療の打ち切りを求められたら

まずは治療継続の必要性を主治医に確認

事故から数ヵ月経つと、加害者側の保険会社が治療の打ち切り(治療費の支払い打ち切り)を求めてくる場合があります。しかし、その時期が適切とは限りません。痛みが残っているのに数ヵ月で治療を終えてしまうと、後遺障害に認定される可能性が低くなります。

したがって保険会社の説明をうのみにせず、まずは主治医に治療継続の必要性を確認しましょう。医師の意見をもとに弁護士が保険会社と交渉すれば、治療費の支払い期間が延長されるケースも。たとえ治療費の支払いがストップしたとしても、事故から6ヵ月程度は通院を続けたほうがいいでしょう。

後遺障害の認定サポートを行っている弁護士に相談

あくまで医師は治療のプロであって、後遺障害認定の専門家ではありません。実際、神経学的な検査を積極的に行ってくれない医師も存在します。また、カルテや診断書などが正確に記載されなければ、適正な等級認定を受けられなくなります。

そのため、後遺障害の認定サポートを行っている弁護士に相談したほうがいいでしょう。むちうち症は通院期間中に注意すべき点も多いので、なるべく早く相談することをおすすめします。

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