交通事故の後遺障害

交通事故に巻き込まれて、後遺症が残ってしまいそうな場合

後遺障害の適正な認定を受けるためには?おさえるべき9つのポイント

この記事のポイント

  1. 医師の指導にしたがい、定期的に通院する
  2. 医師に自覚症状をくわしく伝えて、医療記録に残す
  3. 「被害者請求」を行い、補足資料を添付する

後遺障害認定のしくみ

すべての「後遺症」が「後遺障害」ではない

交通事故にあうと、ケガが完治せずに後遺症が残ってしまう場合があります。それが自動車損害賠償保障法上の「後遺障害」に認定されると、後遺障害の重さ(等級)に応じた損害賠償金が支払われます。つまり、すべての後遺症が後遺障害に認定されるとは限りません。

症状が固定したら、専門機関に等級認定を申請

後遺障害の等級を認定するのは病院や保険会社ではなく、損害保険料率算出機構の「自賠責損害調査事務所」という専門機関です。治療を続けても大幅な改善が見こめなくなった後(症状固定の後)、この機関に後遺障害の等級認定を申請します。

後遺障害が重いほど、「後遺障害慰謝料」などの損害賠償額が増える

損害賠償金のなかで後遺障害に関連するおもな損害項目は「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」。前者は「後遺障害を負った精神的苦痛に対して支払われる慰謝料」、後者は「後遺障害がなければ得られるはずだった収入・利益」をさします。これらの金額は後遺障害の等級が重いほど高くなるため、適正な認定を受けることが大切です。

漫然と通院や申請手続きを行ってはいけない?

後遺障害の適正な認定を受けるためには、漫然と通院や申請手続きを行うのはおすすめできません。いくつかの注意事項を3ブロックに分けて紹介しますので、後遺症が残りそうな方は必ず確認してください。

後遺障害の適正な等級認定を受けるための9つのポイント

<通院編>医師の指導にしたがい、定期的に通院する

(1)事故直後に病院へ行く

事故によるケガの痛みが軽い場合、すぐに病院へ行かない方がいるかもしれません。これは治療のみならず、後遺障害の認定においてもリスクがあります。なぜなら、事故後しばらくしてから医師の診断を受けると、交通事故とケガの因果関係が不明確になるからです。

すると後遺症が残ったとしても、加害者側の保険会社から「事故を原因としたケガとは限らない」と主張されかねません。むちうち症などは後で痛みが強くなるケースもありますので、事故直後に痛みがなくても必ず病院へ行ってください。

(2)定期的に病院へ通院する

定期的に通院せずに後遺症が残ってしまうと、後遺障害に認められない可能性があります。なぜなら「痛みが継続していない」「しっかり通院を続けていれば、ケガが完治したかもしれない」などと考えられるからです。

したがって、仕事が忙しくても痛みをガマンして通院をおこたってはいけません。医師の指導にしたがって定期的に通院し、治療の必要性を明らかにしておきましょう。

(3)整骨院に通院する場合は医師の指導にしたがう

むちうち症(頸椎捻挫、頸部挫傷など)になると、整形外科よりも整骨院や接骨院ばかりに通ってしまう場合があります。ただし、等級認定の重要資料である「後遺障害診断書」を作成するのは医師。整骨院や接骨院の施術者は医師ではありません。

そのため、整骨院や接骨院に通院したい場合は、事前に整形外科などの医師に許可を得てください。主治医が整骨院・接骨院への通院を指示すれば、治療行為の一環として認められます。

(4)保険会社から治療の打ち切りを求められたら、医師に相談する

事故から数ヵ月経つと加害者側の保険会社が治療の打ち切り(治療費の支払い打ち切り)を求めてくる場合があります。しかし、その時期が必ずしも適切とは限りません。痛みが残っているのに数ヵ月で治療を終えてしまうと、後遺障害に認定される可能性が低くなります。

したがって、保険会社の説明をうのみにせず、主治医に治療継続の必要性を確認しましょう。医師の意見をもとに弁護士が保険会社と交渉すれば、治療費の支払い期間が延長される場合もあります。

<診察編>医師に自覚症状をくわしく伝えて、医療記録に残す

(5)医師に一貫した自覚症状を伝える

後遺障害が認定されるには「症状の一貫性」がポイントです。痛い日と痛くない日があったり、痛みを感じる部分が変わっていたりすると後遺障害に認定されづらくなります。

そこで被害者は医師に自覚症状をくわしく伝えてください。遠慮して「大丈夫です」と症状を訴えなければ、カルテや診断書などの記録に残らず、その症状もなかったと解釈されます。

(6)症状に応じて専門的な検査を依頼する

原則として、医師は治療のために必要な検査を行います。後遺障害の存在を証明するための検査を行ってくれるとは限りません。たとえば、むちうち症の場合、レントゲンやMRI画像では障害の存在を示せないケースがほとんどです。

すると、自覚症状が一貫していても後遺障害に認定されない可能性があります。その際はジャクソンテストやスパーリングテストなど、神経学的な検査を行ってもらいましょう。検査の結果次第では、後遺障害に認定される可能性が高くなります。

(7)後遺障害診断書の詳細な記載を依頼する

後遺障害の審査対象は提出された書類だけです。そのなかで、もっとも重要な資料が「後遺障害診断書」。これは治療を続けても大幅な改善が見こめなくなった後に、主治医が作成する診断書です。

その記入項目は多岐にわたるため、検査結果に対する医師の説明や症状が改善する見通しなどについて、記載が不十分な場合があります。すると、後遺障害に認定される可能性が低くなるわけです。後遺障害の分野に精通した弁護士に相談のうえ、医師に詳細な記載をお願いしておきましょう。

<申請手続き編>「被害者請求」を行い、補足資料を添付する

(8)申請手続きを加害者側の保険会社にまかせない

後遺障害の等級認定を申請する手続きには2つの方法があります。ひとつは加害者側の任意保険会社が行う「事前認定」、もうひとつは被害者側が行う「被害者請求」です。適正な等級認定を受けるためには、後者の「被害者請求」がいいでしょう。

なぜなら、加害者側の保険会社は保険金の支払いをおさえたいからです。前述した通り、後遺障害の等級が低い(または後遺障害に該当しない)ほうが損害賠償額は低くなります。そのため、被害者に有利な補足資料は提出せず、不利な補足資料(保険会社の顧問医の意見書など)を提出されるおそれがあります。

(9)症状に応じて補足資料を提出する

「被害者請求」のメリットは、後遺障害の存在を裏づける補足資料を追加できることです。資料の内容は症状によって異なりますが、医師の意見書や弁護士の陳述書、事故直後の損傷車両の写真などが代表的です。

こういった資料によって「後遺障害診断書」の内容を補い、適正な等級が認定される可能性が高くなります。ただし、検査画像などの客観的証拠によって後遺障害の存在が明確であれば、補足資料は不要です。くわしくは後遺障害の分野に精通した弁護士に相談してください。

被害者だけで実践が難しいことは弁護士にサポートしてもらう

ここまであげてきた9つのポイントは、あくまでも原則論です。具体的な状況によっては気にしなくていい点があったり、他にも注意すべき点が増えたりします。

また(6)~(9)のポイントについては、被害者だけで実践するのは難しいかもしれません。適切な医師への依頼や申請手続きは専門知識が必要なため、後遺障害の分野に精通した弁護士に相談することをおすすめします。弁護士が医師と面談すべきかどうかはケースバイケースですが、医師に後遺障害の認定基準を説明できる弁護士がいいでしょう。

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